最新記事

メンタルヘルス

「心配しても無意味」だけど、心配がやめられない人に最適のメソッド

2023年1月13日(金)10時54分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
考えすぎ

draganab-iStock

<心配を先延ばしすれば、心配すること自体にだんだん飽きてくる。不安を取り除き、うつを手放すために考え方を変える方法「心配の遅延」について>

私たちが心配がやめられないのは、心配することで不安を解消できると信じており、それによって満足感を得ているからだ。しかし、心配しすぎると脳が「洪水状態」になり、「心配しても結果は変わらない」という事実に関して冷静な判断ができなくなる。

不安障害が専門の臨床心理士グウェンドリン・スミスは、心配する行為自体を禁止するのではなく、先延ばしにすることでタイミングをずらすことを提唱する。『考えすぎてしまうあなたへ』(CCCメディアハウス)より抜粋する。

◇ ◇ ◇

フラッシュカードによる脳の再教育

考え方を変えたいのであれば、新しい考え方を効果的に受け入れて自分のものにする必要があると、研究で明らかになっています。そうすれば、考え方のクセを古いものから新しいものへ変えられます。私はカードに書いた次のようなひと言を紹介しました。

「実際はどれほど悪い出来事なのか?」

このひと言があれば、興奮を抑えられ、負担となっている感情をより効果的にコントロールできます。

心配は「もし~だったらどうしよう」という考えから始まります。その後、運命の先読みをし、ネガティブフィルターを通して悲劇的な予測(拡大解釈)を行います。また、感情的推論、身体的推論、認知的推論によって、歪んだ思考を真実だと信じ込みます。

ここで大切なのは、できるだけ早くその負のループから抜け出すことです。フラッシュカードはこのようなときに役立ちます。フラッシュカードの効果を引き出すためには、1日数回、最低でも15秒間ずつカードを見る必要があります。

カード、あるいはスマートフォンに書かれた言葉をチラッとだけ見て、5秒後には新しい考え方を忘れるようでは意味がありません。その考え方を脳に深く刻む必要があるので、パッと見るだけでは不可能です。

とくに次のふたつの問いはとても効果的です。

over1-2-20230113.jpg

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英国でのIPO計画が増加、規則改正控え=ロンドン証

ビジネス

円安で基調物価上振れ続けば正常化ペース「速まる」=

ワールド

ロシア、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃 停

ビジネス

韓国現代自、米EV工場でハイブリッド車も生産へ=幹
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必要な「プライベートジェット三昧」に非難の嵐

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食…

  • 5

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 6

    この夏流行?新型コロナウイルスの変異ウイルス「FLi…

  • 7

    休養学の医学博士が解説「お風呂・温泉の健康術」楽…

  • 8

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 9

    ロシア軍兵舎の不条理大量殺人、士気低下の果ての狂気

  • 10

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 8

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中