最新記事

自己啓発

こんな人と一緒に働いたら絶対ダメ 人間関係を破壊する人に共通する「4つの毒」

2022年5月8日(日)15時23分
松村亜里(心理学者、ニューヨークライフバランス研究所代表) *PRESIDENT Onlineからの転載

人間が挑戦するには「安全基地」が必要

そして、怖くなると布の母親のところに戻り、また熊のぬいぐるみに近寄って......という行動を繰り返すうちに、最終的に熊のぬいぐるみと遊ぶようになったのですね。

これは、お母さんが「安全基地」になっているからこそ、赤ちゃんは挑戦し、成長できたという証し。

世の中には、子どもの成長を願って、崖から突き落とすくらい厳しく接するといい、という考え方もありますが、それは目的にかなった行動とは言えません。なぜなら、親子のよいつながりが安全基地となるからこそ、人は成長できるのですから。

安全基地は、子どもだけでなく大人にも必要です。私のオンラインサロンでも、最初はサロン内だけで「挑戦できる」と言っていた人たちが、今では外の世界でも挑戦できるようになっています。

みなさんも、何かのコミュニティやチーム、個人同士の関係などをつくるときは、まずは心理的安全性の土台である質のよい関係性をつくっていくことを、最優先に考えてほしいですね。

関係性がいいと、仕事も楽しくなる

「仕事なんだから、いい関係性なんて、必要ないよ」

企業などの組織では、そう言う人が結構いますね。

「自分がやることさえ、きちんとやっていればいい」

「まずは、作業をどう効率よく進め、どう結果を出せるかが重要だ」ということですよね。そういう傾向は、どこにでもあると思います。

組織に限らず、多くの人が「何かをしよう」というときに、どうしても後まわしにされがちなのが、人との関係性。ここで興味深いデータがあるので、見てみましょう。

職場の人間関係の質とエンゲージメント

出典=The Economy of Wellbeing. Rath & Harter(2010)


これは、アメリカの従業員がどのくらい「働く喜び」を感じているかという研究結果をまとめたものです。

従業員が仕事に対して感じている「楽しさ」、すなわち充実感や就業意欲のことを「ワークエンゲージメント」と呼び、これが高まると、従業員の幸福度=ウェルビーイングも高まることがわかっています。

そこでグラフを見ると、「職場の関係性がよくない人」は、10%しか、「仕事が楽しい」と感じられていないのですね。

一方、「職場の関係性がよい人」は、49%と、ほぼ半数の人たちが仕事を楽しめているのです。この2つの差は、5倍近くあります。

そのくらい、職場の人間関係とワークエンゲージメントは、影響し合っているということです。

組織の従業員に対する取り組みは、時代とともに変わってきました。

もともとは顧客の満足度を上げることが目標で、従業員のことは二の次だったものが、従業員の「働きにくさ」を取り除くことに注目するようになり、それが「働きやすさ」を考える取り組みに変わりました。

批判、自己弁護...人間関係を壊す「4毒」の正体

では、心理的安全性のある関係性をつくるためにはどうすればいいでしょうか。必要なポイントを押さえていきましょう。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ロシア、軍事演習で戦術核兵器の使用練習へ 西側の挑

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

再送イスラエル軍、ラファ空爆 住民に避難要請の数時

ワールド

欧州首脳、中国に貿易均衡と対ロ影響力行使求める 習
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表...奇妙な姿の超希少カスザメを発見、100年ぶり研究再開

  • 3

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 6

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 7

    メーガン妃を熱心に売り込むヘンリー王子の「マネー…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中