最新記事

スター・ウォーズ完結編『スカイウォーカーの夜明け』への道のり

『スター・ウォーズ』監督に聞いた、批判への心構え、ボツ脚本の感想、多様性の挑戦......

2019年12月18日(水)19時20分
大橋 希(本誌記者)

©2019 and TM Lucsafilm Ltd. All Rights Reserved.

<12月20日、ついに『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が公開される。監督が語るシリーズの魅力、ジョージ・ルーカスとの会議、そして脚本流出事件――。>

2019SWmook_cover200.jpg記念すべき第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の公開は1977年。それから40年以上続いたシリーズの最終章となる『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』が12月20日に日米同時公開される。

本作の監督は、続3部作の1作目『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』も監督したJ・J・エイブラムズ。ファンの熱い期待が高まるなか、来日したエイブラムズに話を聞いた。


◇ ◇ ◇

――40年以上続いたシリーズの本質にあるものは何だと考えているか。

僕が大好きな「スター・ウォーズ」シリーズの精神っていうのは、生き生きとして感動的で、ロマンティックで、おかしな冒険。同時に、希望と可能性を秘めているということだ。それは今の時代に、ますます必要になっているものだと思う。

――脚本執筆や撮影はスムーズにいった?

もちろん大きな挑戦だったし、クレイジーで予期しないようなことがあるとは思っていた。壮大な物語の最終章を描くのは、容易なことではない。でも、その過程で何かが問題になるとか、行き詰まるということはなかった。

とにかく壮大なスケールのものだから、撮影も大変だった。ただ、いろいろな要素がある中で、特に難しいのは、登場人物の親密な場面を描くことだと思っている。ちゃんと信じられるような演技になっているか、思いやりがあって驚くような表現ができているか、リズムが正しいか、そういうことがとても重要になってくる。

――前作『最後のジェダイ』(ライアン・ジョンソン監督)を見たときはどんな感想を持った?

すごく意外で、楽しくて、撮影も美しく、素晴らしい映画だと思った。物語は僕が予想していた方向にいっている部分も、まったく予想しなかった方向にいっている部分もあった。そのときは、自分がエピソード9(『スカイウォーカーの夜明け』)を監督するとは思っていなかったので、いちファンとして楽しんだ。

――実際に『スカイウォーカーの夜明け』を監督することになって、物語に軌道修正が必要だと考えたところはあったのか。

エピソード7(『フォースの覚醒』)を撮るときに、共同脚本のローレンス・カスダンと、その後の8、9でどういう風に物語が流れ、最終的にこういうエンディングになる......という構想は話していた。だから9はその延長線上で考えればよかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米石油・ガス掘削リグ稼働数、3週連続減少=ベーカー

ワールド

焦点:中国農村住民の過酷な老後、わずかな年金で死ぬ

ワールド

アングル:殺人や恐喝は時代遅れ、知能犯罪に転向する

ワールド

ロシアとの戦争、2カ月以内に重大局面 ウクライナ司
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 3

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの文化」をジョージア人と分かち合った日

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ウクライナの水上攻撃ドローン「マグラV5」がロシア…

  • 6

    横から見れば裸...英歌手のメットガラ衣装に「カーテ…

  • 7

    「未来の女王」ベルギー・エリザベート王女がハーバー…

  • 8

    「私は妊娠した」ヤリたいだけの男もたくさんいる「…

  • 9

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 8

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 7

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中