最新記事

株の基礎知識

初心者が知らない、勝ち続ける投資家が必ず守る「ルール」

2021年9月7日(火)13時50分
岡田禎子 ※かぶまどより転載

■「ナンピン買いは絶対にしない」

株式投資から得られる利益で生計を立てる"プロ"の個人投資家であるCさんは、「ナンピン買いは絶対にしない」と言い切ります。

ナンピン買い(難平買い)とは、買った株が値下がりしたとき、当初の買値よりも下の値段で買い増しをすることで、平均購入単価を下げる方法です。見込み違いで株価が下がった場合、ナンピン買いをすることで株価が再び上昇すれば損失を防げるため、多くの個人投資家がナンピン買いをします。

しかし、そもそも買った株がすぐに下がってしまうのは、買値が間違っていたということ。そこでナンピン買いをしてしまうと、ズルズルと下がる株価によって、さらに損失を膨らませる結果となる可能性が大なのです。

例えば、投資資金500万円のうち5%にあたる25万円を使ってある銘柄を買ったとします。その株価が買値より下落したときに、損失を防ぐ目的でナンピン買いをするには、同じ株数を買い増しすることになります。言うまでもなく、含み損を抱えた状態です。

これを何度か繰り返すと、投資資金500万円のうち同一銘柄への投資額が100万円以上となり、資金全体の20%以上を占めることになります。そうなると、さらなる株価の下落が起きたとしても売るに売れず、大切な資金を大きなリスクに晒すことになるのです。

●「買い下がり」とは?

株価の下落中に買い増しをする行為には、ナンピン買いのほかに「買い下がり」があります。

買い下がりとは、例えば機関投資家が「投資資金の5%を買う」と決めて、最初に2%、次に1%、その次に2%、と追加して買っていくことを言います。これは下落局面における計画的な買い増しであり、反転を狙ってエントリーしているのであって、ナンピン買いとは似て非なる行為です。

もしも株価が買値を下回ったなら、まずは「買値が間違っていた」と反省することが肝要です。その銘柄を選んだ理由やタイミングの判断が甘かったと考え、事前に設定した水準に達すれば潔く損切りします。買い増しするのは必ず買値を上回ってから、と心得ましょう。

安易なナンピン買いをしないだけでも、大きな損失を避けることができるのです。


問題が生じた時と同じ考え方をしていたら解決はできない──アルベルト・アインシュタイン

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米・イランが間接協議、域内情勢のエスカレーション回

ワールド

ベトナム共産党、国家主席にラム公安相指名 国会議長

ワールド

サウジ皇太子と米大統領補佐官、二国間協定やガザ問題

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 7

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 8

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 9

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中