最新記事

キャリア

自分の価値の高め方、軸はブレていい... LinkedIn日本代表が語る「転職2.0」時代の勝ち方

2021年6月3日(木)19時58分
flier編集部

自らの希少性をつくり出す方法

── 『転職2.0』では自分にタグをつけて、掛け合わせて、発信することの重要性が書かれていました。自分の希少性を高めるタグの掛け合わせ方のポイントは何でしょうか。

希少性を高めるためのポイントは、「希少性は自らつくれる」という発想に立つことです。タグは「ポジション(役割)」「スキル」「業種」「経験」「コンピテンシー」の5つに分類できます。こうしたタグを明確にし、掛け合わせることで、自分独自の強みが見えてくる。

そこで意識するといいのは、「いそうでいない人材だけど、多くの企業がほしいと思う人材」。こうした人材に近づくには、いまの自分と市場を知り、市場に合わせていくことが必要です。

よく「ブレない自分軸が大事」といわれますが、自分軸って根っこは変わらないけれど振り子のように揺れるもの。大事なのは、振り子の振れ幅をどうマネジメントするか。

210602mura02.jpg

Shin Murakami

── なるほど。そうなると自分軸のマネジメントにおいて、マーケット感覚が求められそうです。市場について知るにはどうしたらいいのでしょうか。

まずは自分がめざすポジションで必要なタグを求人票から読み取ります。そのうえで自分のもっているタグと比較する。次のポジションで必須なのに足りない経験があるなら、現職でそれを得られそうなプロジェクトに手を挙げてみることをおすすめします。

学校やオンライン講義で学んでみるのもいい。現職で圧倒的な成果を出し、その実績をもって次にいくことが大事になります。

希少性を高めるための2つめのポイントは、「タグづけ」と「発信」をセットにすることです。まずは社内で、自分がどんな経験を積みたいのかを知ってもらう必要があります。

私自身もヤフーにいたとき、「モバイルをやりたい」と発信し続けていました。すると徐々に「あの人はモバイル領域の人」と想起してもらえるようになり、関連プロジェクトで声をかけてもらえるようになった。そのためには、現職で成果を出し、「あの人に任せたら大丈夫」と思われるような信頼を積み上げておく必要があります。

日本人の多くは謙遜を美徳ととらえていて、自己アピールがあまり得意でないといわれます。だからか「自分にそんな目立ったタグはない」と思いがち。ですが、いまもらっている給与の分はプロとしてバリューを出しているわけです。正しい自己認識と正しい自信をもつようにしたいですね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:最高値のビットコイン、環境負荷論争も白熱

ビジネス

決算に厳しい目、FOMCは無風か=今週の米株式市場

ビジネス

中国工業部門企業利益、1─3月は4.3%増に鈍化 

ビジネス

米地銀リパブリック・ファーストが公的管理下に、同業
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ」「ゲーム」「へのへのもへじ」

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 6

    目の前の子の「お尻」に...! 真剣なバレエの練習中…

  • 7

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 8

    走行中なのに運転手を殴打、バスは建物に衝突...衝撃…

  • 9

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 10

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中