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「不安に耐えるか、退屈に耐えるか」ZOZOを去った田端信太郎はいま何を考えているか

2020年3月10日(火)17時25分
朴順梨(ライター)


ツイッターで決着を付けようとは思っていなくて。それよりも、売られたケンカは買うというか、受けて立たないと逃げたと思われるのが嫌だからやっているところはあります。

そのモチベーションって何でしょうね。損得ではなくて、車のハンドルを握った瞬間に性格が豹変する人っているじゃないですか。たぶん、田端とスマホとツイッターってそんな感じで(笑)。裏表はないつもりだけど、ジキルとハイドというか、そういうところがあるのかもしれない。

でもブランドには、「不合理なことだけど、こだわらざるを得ない」部分が存在すると思うんです。純粋な経済合理性だけでは説明が付かないからこそ、ブランドには価値がある。

ヨーロッパの一流ブランドって、いずれも持続可能でありながらどこか狂気に満ちたところがあるんです。かといって倒産したら終わりなので、ギリギリのところでバランスを取っている。

自分もそんな感じです。悪役レスラーだって、普段は普通に街中を歩いてますよね。それを見て「なんだ、普通じゃないか」って言うのも、よく考えるとおかしな話で(笑)。

ZOZOという看板がなくなった今、田端氏も「自分は何者なのか」を自分自身で表現していかなくてはならない。まさに100%ブランド人としての力量が問われる状況になったわけだが、不安はないのだろうか?


僕の持論なんですけど、人生は不安に耐えるか、退屈に耐えるか、そのどちらを選ぶかっていうことなんです。「不安じゃない」と言うのは安定しているってことだけど、それでは退屈してしまうかもしれない。

何を選ぶかはその人次第だけど、「退屈も嫌だけど不安も嫌だ」って言うのは存在しないんです。その中でどうするかを考えたら、自分は不安を取ります。サラリーマンは20年やったから、もういいかなって。

でもこの先のことは分からないから、絶対戻らないってことはないと思いますけど(笑)。

※インタビュー前編:SNSの申し子・田端信太郎、自著と同じタイトルの「元ネタ」本を熱く語る


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