最新記事

株の基礎知識

安定的に稼ぎ続けるトレーダーは、圧倒的に負け方が上手い

2020年2月20日(木)17時00分
株の学校ドットコム ※株の窓口より転載

問題は、そうならなかったときです。

「戻ったら売ろう」と思っているうちに、さらにマイナスが大きくなってしまう。「このまま下がり続けることはないはず。少し戻したところで売ろう」と考えていたら、さらに大幅に下げる。気づいたときには、資金の半分近くまで損失が膨らんでいた......

これは決して大げさな喩えではありません。「正しい負け方」を身につけてないかぎり、誰にでも起こりうる悲劇です。

■「トータルで勝つ」ために「小さく負ける」

安定的に稼ぎ続けるプロのトレーダーは、トレードの勝率を上げることではなく、「トータルで勝つ」ことを強く意識しています。

「トータルで勝つ」とは、1年または半年、あるいは1か月という一定の期間で、最終的に目標とする利益を出すということ。つまり、勝率や1回1回の勝ち負けではなく、最終的な利益を意識してトレードをするのです。そうしてトータルで勝つために重要なのが「正しい負け方」です。

「正しい負け方」とは、言い換えれば、小さく負けるということ。

実は、どんなに稼いでいるプロのトレーダーでも、実際のトレードでは、勝つ回数よりも負けて損をする回数のほうが多いのです。だからこそ、1回あたりの負けの金額を小さく抑えることで、手がけたトレードの7割がロスカット(損切り)になってもいいと割り切るのです。

これが、トレードで安定して稼ぐための重要なポイントです。トレードが上手いか下手かの差は、株価が想定と反対に動いたときの負け方(ロスカット)の差だと言ってもいいでしょう。

■小さく負けるからこそ次のチャンスがある

小さく負けることを徹底するからこそ、ライブドアショックやリーマンショック、あるいは東日本大震災といった予測不能の暴落が起きたときでも、多くのトレーダーが大きな損失を出して退場していったそばで、損を最小限に食い止めることができたトレーダーがいるのです。

損を小さく抑えることができれば、次の機会に挽回できます。株式市場は本来、稼げるチャンスにあふれています。それにもかかわらず、目先の1回の勝ち負けにこだわって大きな損失を出してしまうのは、自らチャンスをふいにする行為です。

また、株を塩漬けにして資金を眠らせておくのも、大きな損をしているのと同じことです。なぜなら、その資金を眠らせている間に、稼げるチャンスが何度もあるからです。資金を眠らせることは、その期間に稼げたはずの大きな利益を失っていることなのです。

株式トレードでは、利益をコツコツと積み上げることが重要です。利益は、取引回数に比例して増えていきます。だからこそ、損失を小さく抑えて大切な資金を失わないようにすると同時に、塩漬けでトレード機会を失ってしまわないことが、安定して大きく稼ぎ続けるコツです。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS攻撃「直撃の瞬間」映像をウクライナ側が公開

  • 3

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を受け、炎上・爆発するロシア軍T-90M戦車...映像を公開

  • 4

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元…

  • 5

    テイラー・スウィフトの大胆「肌見せ」ドレス写真...…

  • 6

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 7

    ロシア軍「Mi8ヘリコプター」にウクライナ軍HIMARSが…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前…

  • 10

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 7

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中