最新記事

消費者

資本主義は「ボトムアップ型」に変わる、そこで求められる「5%」に入るには

2022年2月1日(火)11時18分
flier編集部
村上誠典氏

Takafumi Murakami

<資本主義からサステナブル資本主義へ、『サステナブル資本主義』著者・村上誠典氏が語る新時代の資本主義に必要な「考える消費者」になる方法>

※このインタビュー記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

SDGsに向けた取り組みが企業や自治体で進められ、大量生産・大量消費をよしとした旧来型の資本主義は大きく見直されています。持続可能性を意識した商品やサービスも徐々に増えてきました。

そうした中、私たち消費者はどういった価値基準で日常生活を送るべきでしょうか。ゴールドマン・サックス証券などを経て「未来世代に引き継ぐ産業創出」をテーマに創業した村上誠典さんが2021年秋に上梓した『サステナブル資本主義』(祥伝社)はそのヒントを与えてくれます。

今回は村上さんと、株式会社フライヤーアドバイザー兼エバンジェリストの荒木博行さんが、Voicy「荒木博行のbook cafe」で対談を行いました。お二人のトークを、再構成してお伝えします。

「資本主義」対「サステナブル資本主義」

荒木博行(以下、荒木):ご著書『サステナブル資本主義』、面白く拝読しました。ある意味資本主義ど真ん中のキャリアを歩まれてきた村上さんが書かれたという点でも、大変興味深い内容でした。

最近「資本主義は限界を迎えた」といった言葉もよく耳にしますが、そもそも資本主義の定義も人によって異なるように思います。あらためて「サステナブル資本主義」の意味合いについてお聞かせください。

村上誠典(以下、村上): ありがとうございます。そうですね。資本主義とは何か、サステナブルとは何かといった問いに対する答えは人それぞれ、千差万別で認識のずれはあると思います。 ただ、資本主義をしっかり定義しないことには、サステナブル資本主義も理解できません。従来の資本主義との違いがよくわかるよう、多面的に具体性を持ってまとめたのが本書です。

重要な点として、資本主義はトップダウンであり、お金が中心にあって力を持っています。そして、短期的な話になりやすいという特徴も挙げられます。

一方、サステナブル資本主義は、ボトムアップであり、お金ではなく人が中心に据えられ、短期的ではなく長期的な視点が求められます。資本主義とは逆の考え方ですね。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米アマゾンの稼ぎ頭AWSトップが退任へ

ビジネス

ソニー、米パラマウント買収を「再考」か=報道

ビジネス

米国株式市場=上昇、ナスダック最高値 CPIに注目

ワールド

米はウクライナ支持、安全保障や主権が保証されるまで
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 7

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 8

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中