最新記事
シリーズ日本再発見

日本唯一の「サンダーバード」公認人形師・坂本健二は「本物以上に本物」

2021年12月24日(金)11時45分
ペン編集部

休まずにどんなに急いでも制作には1体あたり3週間を要し、しかもその精緻なつくりとなれば、30万円の価格を圧倒するクオリティであることは明らかだ。実際、「一番苦労するのは顔」と述べるとおり、サンダーバードの人形の魅力はその表情と身体動作にある。目は左右に動き、唇は手動により可動、首も縦方向・回転、腕も回転・横方向に動き肘下も回転、また上半身も腰から動くなど、坂本は一体一体に命を吹き込む、魔術師なのだ。

公認人形師が日本人であることに、心地よい誇りと敬意を抱かずにはいられない。これからの坂本のさらなる活躍にサンダーバードファンのみならず、ぜひ注目し続けたい。

penbooks20211224-kenjisakamoto-5.jpg

定規と並んだ4号。50㎝強という、そのサイズ感がよくわかる。 ©Kenji Sakamoto

penbooks20211224-kenjisakamoto-6.jpg

塗装表現の世界は奥が深く、「上には上がいます」と謙遜する坂本だが、部品の継ぎ目や隙間の汚し(ウェザリング)も実にリアル。実際、世界中を飛び回るサンダーバードの機体は無傷ではなかったはずだ。 ©Kenji Sakamoto

ペンブックス サンダーバード完全読本。
 ペン編集部 編
 CCCメディアハウス

(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)

■お知らせ■
「サンダーバード55周年シネマコンサート」が1月9日に東京オペラシティ コンサートホールで行われる。人気コーラスグループ「フォレスタ」やジャズの殿堂「ブルーノート」から特別ゲストも参加し、迫力の映像と共にサンダーバードサウンドが届けられる。

【コンサート概要】
日時:2022年1月9日(日) 15:00時回~/19:00時回~
会場:東京オペラシティ コンサートホール
出演:西村友 (指揮)、東京佼成ウインドオーケストラ、【ゲスト出演】松永貴志 (ピアノ/作曲)、フォレスタ(コーラス)
チケット他詳細情報はこちらから

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

クアルコム、4─6月業績見通しが予想超え スマホ市

ビジネス

ドル一時153.00円まで下落、日本政府は介入の有

ビジネス

米国株式市場=まちまち、FOMC受け

ビジネス

FRB、金利据え置き インフレ巡る「進展の欠如」指
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 10

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中