ニュース速報
ビジネス

英スタンチャート、第1四半期は5.5%増益 金利上昇で予想上回る

2024年05月02日(木)17時10分

英銀大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が2日発表した第1・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比5.5%増の19億1000万ドルとなり、予想を上回った。金利上昇が寄与した。写真は2022年7月、ロンドンで撮影(2024年 ロイター/Peter Nicholls)

Lawrence White Selena Li

[香港/ロンドン 2日 ロイター] - 英銀大手スタンダード・チャータード(スタンチャート)が2日発表した第1・四半期決算は、税引き前利益が前年同期比5.5%増の19億1000万ドルとなり、予想を上回った。金利上昇とトレーディングによる増益が信用損失を補った。

同行がまとめたアナリスト13人の予想平均は13億9000万ドルだった。

投資銀行部門は13%の増益となった。

ジェフリーズのアナリスト、ジョー・ディッカーソン氏は、コストを抑えながら事業全般にわたって好調な業績を上げていることから、スタンチャートの株価は長年の低迷から脱するはずだと述べた。

アジアで収益の大半を稼いでいる同行は、堅調な四半期決算だったとして、2024年通年のガイダンスを据え置いた。

一方、第1・四半期に評価損を1億6500万ドル計上。前年同期は2000万ドルだった。評価損の大部分は富裕層・個人向け銀行部門によるもので、香港と韓国で「住宅ローンの逆風」の影響を受けたと説明した。

中国の商業用不動産部門に関連して総額12億ドルの引当金を計上した。同部門への与信総額は24億ドルとなり、前四半期から2億ドル減少した。

23年は保有する中国の渤海銀行株を巡り8億5000万ドルの評価損を計上していた。同行が中国の景気減速と不動産危機に苦しんでいたため。

第1・四半期の合弁事業からの利益は1800万ドルから600万ドルに減少。渤海銀の減益に伴うもので、中国での苦境が続いていることを示唆している。

また株式連動証券を購入して損失を被った韓国の顧客に対する補償に備えて1億ドルの引当金を計上した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金総書記、新誘導技術搭載の弾道ミサイル実験

ワールド

アフガン中部で銃撃、外国人ら4人死亡 3人はスペイ

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、25年に2%目標まで低下へ=E

ビジネス

米国株式市場=ダウ終値で初の4万ドル台、利下げ観測
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、さらに深まる

  • 4

    「円安を憂う声」は早晩消えていく

  • 5

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    無名コメディアンによる狂気ドラマ『私のトナカイち…

  • 8

    他人から非難された...そんな時「釈迦牟尼の出した答…

  • 9

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 10

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 8

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 9

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中