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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

ベトナムのいちごが日本の栽培法で美味しくなっている!

モクチャウの苺 やみつきになるあま~い美味しさです。(筆者撮影)

ベトナムで苺は高い果物だ。市場に出回っている苺は韓国や中国からの輸入品がメインだが、ベトナム産苺もある。産地はダラットというベトナム中部とモクチャウという北部が有名だ。なんとそのモクチャウで苺の栽培を始めたのは日本人なのだ(参照:ずるいフルーツ「イチゴ」に魅せられ、ベトナム北部で夢を馳せる日本人生産者)。

ベトナムで売られている中国産や韓国産の苺は高いが酸っぱいだけで甘みがなく、日本の苺の味を期待するとガッカリする。しかし、ダラットやモクチャウ産の苺は、タイから取り寄せた苺の種を栽培したらしいのだが、日本の苺並の強い甘さはないが、日本の苺と一味違うまろやかさで、とてもかわいい味がして1粒食べるとまた食べたくなりやみつきになる。ベトナムでは気候が味覚に影響するのか、甘すぎるスイーツ等をあまり美味しいと感じないので、日本のような強い甘みが無くてもちょうど良いのだが、やはり酸っぱいだけの中国や韓国の苺は美味しいとは感じない。

中国や韓国の苺を食べると小さい頃、1970年代に日本で食べた苺を思い出す。甘さがなく酸っぱいから練乳をかけて、苺をスプーンでつぶし練乳と混ぜながら食べた苺の味だ。苺をつぶしやすく作られた苺用のスプーンも当時売られていて、当時私の家にあり(今もあると思う)、そのスプーンがお気に入りで、よくそれを使って苺をつぶし練乳と混ぜて食べたものだ。当時は練乳をかけないと苺は美味しくなかったのだ。それがどんどん苺が甘く美味しく改良され、そのうち練乳をかけて食べる必要が無くなってきて、苺×練乳の組み合わせ自体が忘れられていったのだ。

今はベトナムで中国や韓国産の苺が美味しい苺として多く知られ売られているが、いずれベトナム産の苺は甘く美味しいと皆が気づき、ベトナム全土にベトナム産いちごの美味しさが知れ渡るだろう。まだ生産量が多くないと聞いたが、日本人農家以外にもベトナム人農家がその栽培方法を学び日本流の栽培方法で育てている農家が増えているという。

私が買ったモクチャウ産苺のパッケージには日本語が使われていて、その苺が日本流に作られている事を表現しているのだろう。また苺を日本を現す果物の1つと捉えられているのだろうか。ベトナムのケーキはまだほとんどがバタークリームで、赤や青色の派手な色のクリームを使った欧米風のケーキが多いが、徐々にクリスマスケーキなどでは苺が入った生クリームケーキの人気が出始めているので、ベトナム産イチゴをふんだんに使った生クリームケーキが食べられる日もそう遠くないだろう。

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Hana 花と書かれた苺のパッケージは日本を意識している。(筆者撮影)

ベトナム産苺の栽培には明るい未来しかない。その日本流栽培の苺の定着に従って苺を使った日本流の苺スイーツや生クリームケーキ等の人気がもっと広がってベトナムにもっともっと美味しいケーキの人気も広がって欲しい。

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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