World Voice

南米街角クラブ

島田愛加|ブラジル/ペルー

#国際女性デー 女性音楽家の挑戦と課題

|偏見に対する挑戦と課題

こういった偏見に対して、私たち女性音楽家は個々の意見を言えるようにしておくことが必要だ。
もしドレスを着ないことであなたの仕事が減るならば、その分練習して、勉強して実力で勝ち取って見せるしかない。
自分が納得できるものを表現した時に、その良さをわかってくれる人こそが本当にあなたの芸術を理解し、応援してくれる人だと思ってほしい。
音楽家が一番大切にしているものは音楽だと伝えていかなければならない。
当たり前のようなことを伝える必要があるのかとも思うが、残念ながらそれだけ商業的に作られた女性音楽家のイメージは悪化していっているということだ。

生物学的な性や、社会的な性によって女性であるが故に起こる問題は沢山ある。
しかし、それは全ての女性に対して言えることで、より多くの女性がその壁を越えることに挑戦することで偏見や差別を少しでもなくすことができるだろう。

|女性の社会進出と家族の理解

ディスカッションの最後には、結婚や母親になった音楽家について興味深い話になった。
Julianaは「クレヨンや画用紙を大量に持って、子供たちを何度もリハーサルに連れていった。」と話す。
同じく母であるElizeteは、「私がこうして音楽を続けられるのは、理解のある夫と子供たちの協力のおかげだ。」と涙ぐみながら感謝した。続けて、それぞれの家庭にて"自分のことは自分でできるようにする"と子供が小さい頃から話すことで、今後の女性、特に母親の社会進出における明るい未来を期待した。
私が個人的に強く思っていることは、こういった男女格差について、国際女性デーでなく常日頃から意見を交換すること、そしてディスカッションは女性だけでなく、男性と共に行うべきだということだ。
まずは自分のパートナーや友人たちと話し合ってみてほしい。

【今日の1曲】
未だに女性音楽家(主に器楽家)は男性に比べて少ないと思われがちだが、素晴らしい音楽家が沢山存在する。
男尊女卑が今よりも更に強かった頃に活躍したブラジル人作曲家Chiquinha Gonzagaや、ペルーでは当時珍しかったシンガーソングライターのChabuca Granda、そして私の身近にいる女性音楽家たちだ。彼女らは自分が表現したい音楽をもっている。
Andrea dos Guimarãesはブラジルの歌曲の研究をする歌手/作曲家/ピアニストで、サンパウロ市立トムジョビン音楽院で教鞭を執る。私は実際にAndreaを知っていて、彼女の演奏はもちろん、音楽に対する姿勢を心から尊敬している。誰に対しても平等で、芯のある美しい人だ。


 

Profile

著者プロフィール
島田愛加

音楽家。ボサノヴァに心奪われ2014年よりサンパウロ州在住。同州立タトゥイ音楽院ブラジル音楽/Jazz科卒業。在学中に出会った南米各国からの留学生の影響で、今ではすっかり南米の虜に。ブラジルを中心に街角で起こっている出来事をありのままにお伝えします。2020年1月から11月までプロジェクトのためペルー共和国の首都リマに滞在。

Webサイト:https://lit.link/aikashimada

Twitter: @aika_shimada

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