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シリコンバレーと起業家

内藤聡|アメリカ

日本人起業家はどのようにシリコンバレーで資金調達をしているのか

──意思決定者に会うという意味では、人の繋がりの中で出会って、彼らにプロダクトを使ってもらうということでしょうか。
内藤:それもあります。共通の知人から紹介してもらったり、Twitter、LinkedInで連絡してみたりという形です。スパムになっては良くないですが、誠意を持って連絡することが大事です。だらだらと長い文章を書いても、毎日多くの起業家から連絡をもらっている彼らには、読んでもらえないので、端的な文章で送ります。私の場合は、ジェイソンがTwitterでアクセラレーターを始めて、そこに参加する投資先を探していると投稿していたので、これはと思って連絡しました。一行でプロダクトのコンセプトと現在のトラクションを書いて、2、3分で読めるような内容のメッセージを送りました。それをジェイソンが面白いね、と言ってくれて、この日に話せないか?という運びになったんです。端的に伝えることって意外と難しくて、ちゃんと事業のことを考え抜いて、短く思考をまとめているか、というところも見られていると思います。

──事業のアイデアが固まった後に、どのタイミングで資金調達を目指すべきか、また、投資家回りはいつ頃から始めれば良いのでしょうか。
内藤:日本人がシリコンバレーで起業するという点で言うと、まずは事業のアイディアを試して失敗してを繰り返して、プロダクトのコンセプトを固めます。そのコンセプトが固まり次第、日本から数千万円集めるのが良いと思います。その資金をもとに、アクセラレーターに入れる水準のトラクションを作ります。私もそうですし、Ramen Heroの長谷川もそうですが、アクセラレーターを出ると、モメンタム(勢いがあるという空気感)が発生します。そのタイミングを逃さず、その時点でできる限りの金額を調達するのが大事だと思います。弊社も長谷川の会社も、そのようにして、アクセラレーターを出た後に、数百万ドル(数億円)を調達しました。

──つまり、アイディアが固まった時点で日本から調達、その後米国のアクセラレーターに入り、アクセラレーターを出た直後に、大きく資金調達をするという形ですね。
内藤:はい、最初から直接シリコンバレーの投資家から資金調達をしようとする人もいるのですが、こちらに人の繋がりがなく、トラクションもろくにない状態で現地の投資家に会っても、「お前は誰だ」と怪しまれるのが自然です。資金調達は信用が全てなので、米国で最低限の信用は必要です。お金はお金なので、日本から資金を調達し、米国のアクセラレーターに入って信用をつけます。初期の段階で日本人の株主が入っていることで、米国の投資家がネガティブに感じることは全くないので、それが良いと思います。また、米国のアクセラレーターを出ると、現地の投資家から資金調達をすることがぐっと楽になります。弊社Anyplaceもそのようにして、InstacartやCoinbaseの投資家であるFunders Clubや、BoomやLime Bikeの投資家のUpHonest Capitalなどの現地の投資家から資金調達をしました。

 

Profile

著者プロフィール
内藤聡

Anyplace共同創業者兼CEO。大学卒業後に渡米。サンフランシスコで、いくつかの事業に失敗後、ホテル賃貸サービスのAnyplaceをローンチ。ウーバーの初期投資家であるジェイソン・カラカニス氏から投資を受ける。ブログ『シリコンバレーからよろしく』。@sili_yoro

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