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Fair Dinkum フェアディンカム・オーストラリア

平野美紀|オーストラリア

トンガ海底火山噴火の爆発音がシドニーで聞こえた !?

日本の気象衛星「ひまわり8号」がとらえた、宇宙から確認されたトンガ海底火山噴火の様子。(ひまわり衛星プロジェクト

1月15日土曜日、トンガ諸島の海底火山が噴火。その噴火の様子は、宇宙からも確認され、ニュージーランドやオーストラリアはもちろん、遠く離れた日本や米国などでも、津波や潮位上昇が観測されるなど、規模の大きさを物語る噴火となった。(参照

オーストラリアは南東部の沿岸部に津波警報が発令された。

実はこの日、昼食を食べ終えて一息ついていた時、「ドカン!」という爆発音が聞こえ、「なんだ?なんだ?」と、2人で顔を見合わせたことがあった。当日は、昼食を食べ始めたのが遅く、午後2時半少し過ぎていたため、食べ終えてから爆発音を聞いたのは、午後3時を回った頃だった。恐らく、3時20分前後か...?

この時点では、まだトンガで起こった海底火山爆発のことは知らなかったのだが、その後、「日本時間の午後1時10分頃、トンガ近海の海底火山が爆発した」と知り、驚いた。

どうやら、あの爆発音を聞いた時間とかなり近い時間に、噴火したようだ。

現在、シドニーは夏時間のため、日本との時差は+2時間。ということは、トンガの海底火山が爆発したのは、こちらの午後3時10分に当たる。となると、時間的には、ほぼぴったりだ。

しかし、トンガ諸島が、オーストラリアの東の南太平洋にあるとはいえ、遠く離れたシドニーで、噴火の際の爆発音が聞こえるものなのだろうか?

ガス爆発?と思うような爆発音

その音は、「ガス爆発か?」と思うような、最初は少しくぐもったような大きな破裂音。大きめのプロパンガス・ボンベか何かが爆発したのでは?と思ったほどだった。たまたま土曜日の午後だったこともあり、工事やパワーツールを使う機械音のような人工的な音があまりしていなかったため、余計に大きく聞こえたのかもしれない。

しかし、音がした後に、消防車や救急車などが出動する様子はなかった。ちなみに、我が家の近所には消防と救急の両方のステーションがある。

宇宙から確認されたトンガ海底火山噴火の様子。日本の気象衛星「ひまわり8号」の映像から。



ツイッターで続々と情報が集まる・・・

トンガとシドニーは、直線距離にして約3.500 km。位置関係はこんな感じだ。

いや、まさか、こんなに離れているのに聞こえるわけはないよな...と思おうとしたが、やはりどこかで引っかかる。

離れてはいるが、我が家はシドニー北部の海岸沿い地区にあるため、ここから北東に位置するトンガとの間にあるのは、「海」だけだ。途中に何の障害物もない。

気になって仕方なかったため、ツイッターで「爆発音を聞いた」とツイートしたところ、「衝撃波ではないか」という意見を中心に、続々と情報が集まってきた。

また、簡単に計算してみたところ、P波であれば、10分遅れくらいで到達することもわかった。

フォロワーさんが寄せてくれた情報の中で、最も目を引いたのは、ニュージーランドのウェリントンで、トンガの噴火の音が聞こえたという証言だ。

トンガとウェリントンの距離は、2,400km。ということは、シドニーで聞こえる可能性もありそうではないか?!

さらに、この情報を最初にツイートしていた方から、以下のような情報もいただいた。

そして、さらに、フィジーで聞こえたという噴火の際の音が、私が聞いたものとかなり似ていることもわかった。



9,400 km 離れたアラスカでも聞こえた爆発音

「トンガの海底火山噴火の爆発音が、シドニーまで届いて聞こえた」説に、かなり確信を持ち始めていたところ、「約9,400 km離れているアラスカでも聞こえた」という情報が飛び込んできた。(参照

9,400 km離れたアラスカで聞こえたとすれば、ここシドニーで聞こえても不思議はない。

案外、地球は狭かった!

フィジーの地震気象研究者は、今回の噴火は、引き続き活発な活動がみられるため、まだ予断を許さないと警告を鳴らす。世界の科学者も今後、数週間以内に大規模な噴火が発生する可能性があるという。

トンガも日本と同じく『リング・オブ・ファイア(環太平洋火山帯)』上に位置する。日本も火山列島として、過去の教訓を生かして、十分に注意していく必要がありそうだ。〈了〉

※トンガは、この噴火で海底ケーブルが切断され、外部との連絡が取りにくくなっているうえ、津波や降灰などの被害がでており、国内の各種インフラも寸断されているようです。一日も早い復旧をお祈りいたします。

 

Profile

著者プロフィール
平野美紀

6年半暮らしたロンドンからシドニーへ移住。在英時代より雑誌への執筆を開始し、渡豪後は旅行を中心にジャーナリスト/ライターとして各種メディアへの執筆及びラジオやテレビへレポート出演する傍ら、情報サイト「オーストラリア NOW!」 の運営や取材撮影メディアコーディネーターもこなす。豪野生動物関連資格保有。在豪23年目。

Twitter:@mikihirano

個人ブログ On Time:http://tabimag.com/blog/

メディアコーディネーター・ブログ:https://waveplanning.net/category/blog/

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