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ドイツの街角から

シュピッツナーゲル典子|ドイツ

マイン川の真珠「ミルテンベルク」に魅せられて 美食の旅

新型コロナウィルスの感染拡大が続くロックダウン中、ドイツではアルコール消費量が増えました。外食が絶たれてしまい、それなら自宅で料理をしながら美味しいワインを飲みたいという家のみが多くなったことが背景にあるようです。

ミルテンベルク周辺は、ワインの産地としても有名です。この街はクアフランケンと称されるワイン生産地「フランケン」に属し、その中心部に位置します。 

クアフランケン」は、バイエルン州ヴュルツブルクとヘッセン州フランクフルト間の中ほどに位置し、その間を蛇行するマイン川渓谷周辺に散在する21の町を対象にした地域を指します。2015年より正式にこの名称を使用するようになりました。地域のワイン醸造家の協同組合のような役割を果たしており、加盟者が協力しあってワインや地元の特産品を宣伝して活性化に努めているそうです。

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クリンゲンベルクのブドウ畑とマイン川を眺めながらアニヤさん自慢のワインを試飲

昨年30周年を迎えたクアフランケンの赤ワイン遊歩道(全行程80㎞弱)を散策中、日本へも出荷しているというビオワイナリー・シュトリツィンガー運営者アニヤさんが出迎えてくれました。同ワイナリーのブドウ畑はミルテンベルクからマイン川に沿って北ヘ約13㎞の隣町クリンゲンベルクにあります。

ワイナリー創業から40年ほどと、歴史は浅いものの、シュトリツィンガーワインは地元クリンゲンベルクのホープとして話題をさらっています。国際ビオワイン賞2021年では、2019年リースリングトロッケンと2018年リースリングピュアが金賞を、2019年ポルトギーザーと2019年リースリングゼクトが銀賞受賞の快挙を遂げました。

ミシュランも称賛するグルメレストラン

ミルテンベルクから北ヘ約6㎞、グロースホイバッハのガストハウス・ツァ・クローネ(Gasthaus zur Krone )で「ここはミシュラン星レストラン?」と思うほど感激の料理を満喫しました。

ホテルにレストラン併設のクローネは、1969年にレステル家が開店。現在は、2代目ラルフさんと妻ニッキーさんが初代から受け継ぎ、レストランに注力して大成功を収めています。

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キッチンにて。ニッキーさんとラルフ・レステル夫妻

食後、ご夫妻に伺ったところ、なんとクローネはグルメガイド「ミシュラン」によるビブグルマンを獲得しているというのです。ファーストクラスの料理に納得しました。ビブグルマン評価は、手の届きやすい価格で高品質な料理を提供し、一定の選考基準を満たしているお店に与えられるマーク。同レストランのメインディッシュは20ユーロから30ユーロとお手頃です。

「ミシュラン星にはこだわりません。お客さんから美味しいと評価をいただくのが、一番の誇りです」とラルフ氏。ちなみにニッキーさんはワインソムリエとしても活躍中。料理とワインのペアリングも抜群でした。

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上から前菜ツナのマリネ、メインは仔牛の頬肉とポテト、デザートはテラミス、アイス、フルーツ

欧州では海外旅行も少しづつ規制緩和されていますが、今後コロナ禍はどう展開するのか先が読めません。夏休みもほぼ終わり、コロナウィルス感染者も再び増加中のこの頃です。いつか日本からドイツ訪問が可能になったら、ミルテンベルクを中心に周辺の魅力あるスポットを巡ってみるのはいかがでしょうか。

 

Profile

著者プロフィール
シュピッツナーゲル典子

ドイツ在住。国際ジャーナリスト協会会員。執筆テーマはビジネス、社会問題、医療、書籍業界、観光など。市場調査やコーディネートガイドとしても活動中。欧州住まいは人生の半分以上になった。夫の海外派遣で4年間家族と滞在したチェコ・プラハでは、コンサートとオベラに明け暮れた。長年ドイツ社会にどっぷり浸かっているためか、ドイツ人の視点で日本を観察しがち。一市民としての目線で見える日常をお伝えします。

Twitter: @spnoriko

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