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永田賢|インド

モディ首相による2021年インド独立記念日演説 [速報ベース]

iStock

「8月15日」という日は日本にとっては太平洋戦争の終戦記念日にあたりますが、インドにとっては大英帝国から独立した「独立記念日/Independence Day」として特別な祝日となっています。

毎年、独立記念日においては、モディ首相が首都のレッドフォートにおいて国民に対して今後のインドをどうしていくのか方針演説をするのが慣例となっており、私自身も2017年から毎年リアルタイムベースで英語字幕や各報道機関の速報情報を参照しながら聞くのが定例となっています。

2021年の演説はモディ首相が首相になってから8回目の演説となります。

今年は大英帝国から独立して75年という節目の年であるので、COVID19が猛威を振るった2020年を経てモディ首相がどんな方針で今後のインド政権運営に対して臨んでいくかが焦点になると考えられます。

では、速報ベースではありますが、どんな構成&メッセージなのか見ていきましょう!

*文中での私はモディ首相を示します。

**()の内部は補足です。

***意訳した部分もありますので、間違い等ご指摘頂ければ幸いです。

[情報ソース]

Independence Day LIVE Updates: 'Sabka Prayaas' Crucial for Achieving Goals, Says PM Modi, Stresses on 'Aatma Nirbhar' Bharat (news18.com)

Independence Day LIVE: No corner of India to be left undeveloped, says Modi | Business Standard News (business-standard.com)

PM Narendra Modi's Addresses Nation From Red Fort Live | PM Modi Live | Independence Day 2021 Live - YouTube

[モディ首相演説の様子]

(引用元:PM Narendra Modi's Addresses Nation From Red Fort Live | PM Modi Live | Independence Day 2021 Live - YouTube

序文・謝辞

COVID19のパンデミック中、この困難に対して闘ってくれた医師、看護師、救急隊員、衛生管理者、ワクチンを開発していた科学者、そして協力頂いた市民の皆様に対して感謝申し上げます。

東京オリンピックで私たちの誇りとなったアスリートたちが、今日、私たちの前にいます。(インドオリンピック選手も臨席中)私は今日、彼らの功績に拍手を送りたいと思います。彼らは私たちの心をつかんだだけでなく、インドの未来世代にも影響を与えました。

この独立記念日は先人たち(ネルー、アンベートカル、パテルといった功労者)によってもたらされましたが、我々は(パキスタンとの)分離独立によって生まれた痛みや犠牲も忘れてはいけません。そこで、私たちは8月14日を「Partition Horrors Remembrance Day」とするという決定を下しました。

COVID19との戦い

COVID19は世界的な危機となって現れましたが、インドでは国産2種類のワクチンの開発に成功して、世界最大規模のワクチン自給自足体制を確立することができました。COVID19で失われた命やこの痛みを忘れることなく、前に進んでいきましょう。

次の「新しいインド」に向けて~独立100周年を見据えて

単なる75周年を祝うのではなく、次のインド独立100年を見据えたロードマップを掲げます。世界水準のインフラを備えるだけでなく、「最小限の政府、最大限の統治」を達成することにあります。さらに、Aatmanirbhar Bharat(自立したインド)を実現するにあたり、変化に順応していかなければいけません。そして、3つのスローガン、'Sabka Saath(協働), Sabka Vikas(発展), Sabka Vishwas(信頼)に加えて、'Sabka Prayaas'(全員の努力)が自立したインドの達成のために必要になってくるのです。

北東部とジャンムカシミール地方、ラダック地域

インド北東部の潜在能力を引き出し、国の発展のために当該地域へ機会創造をしなければいけません。ラダックについては、政府が世界レベルのインフラ構築に注力することで、新たな変革の局面を迎えており、ジャンムー・カシミール州では分割委員会が設置され、将来の下院選挙に向けた準備が進められています。

格差是正

21世紀のインドを新たな高みへと導くためには、インドの能力を十分に活用することが不可欠です。そのためには、発展が遅れている部分、遅れている地域に手を差し伸べなければなりません。Other Backward Class (OBC、教育的・社会的に不利な立場にある人々)への配慮も必要です。このため、政府はOBC法案を可決しました。

私たちは、農村部と都市の生活のギャップを埋めなければなりません。Jal Jeevan Missionを開始してから2年間で、農村部の450万世帯以上が新たにパイプ式の水を手に入れました。

小規模農家向け政策

今日、私たちの村は急速に変化しています。過去数年の間に、道路や電気などの設備が村に行き渡るようになりました。

今日では、光ファイバネットワークがデータの力を村に提供し、インターネットが村に届いており、デジタルに関連した起業家もでてきています。

しかし、今後数年で、私たちは国内の小規模農家の集団的な力を高めなければなりません。

小規模農家の総合力をさらに高めるためには、彼らに新しい設備を提供しなければなりません彼らは国の誇りにならなければなりません。

例えば、Kisan Railは現在、国内の70以上の鉄道路線で運行されています。

インフラ全般の強化・雇用創出

我々は、次世代のインフラ拡充、世界水準の製造技術、最先端のイノベーション、新時代のテクノロジー創造のために、協力し合わなければなりません。

近日中に、全体的なインフラの基盤を作り、経済に統合的な道筋を与える約1.3兆ドル規模の国家インフラ基本計画「PM Gati Shakti Plan」を発表する予定です。鉄道に関しては、75週間後に75路線が開通されるでしょう。

更に、この政策によって若者の就労やスキルアップを支援して雇用を創出します。

Profile

著者プロフィール
永田賢

Sagri Bengaluru Private Limited, Chief Strategy Officer。 大学卒業後、保険会社、人材系ベンチャー、実家の介護事業とキャリアを重ね、2017年7月に、海外でのタフなキャリアパスを求めてYusen Logistics India Pvt. Ltdのベンガルール支店に現地採用社員として着任。 現地での日系企業営業の傍ら、ベンガルールを中心としたスタートアップに魅せられ独自にネットワークを構築。2019年4月から日系アグリテックのSAgri株式会社インド法人立ち上げに参画、2度目のベンガルール赴任中。

Linkedin: https://www.linkedin.com/in/satoshi-nagata-42177948/

Twitter: @osada_ken

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