新しい日本語「やばいンデ」は定着する? それとも「サランパン」に?
同時代、同じ場所で、同じく外国商人が使っていた、マレー語由来と思われる「ピッギ(piggy)」も注目に値する。これは「サラ、ピッギ(皿を下げろ)」とか「ワタクシ、ピッギ(私が出掛ける)」と使っていたようで、「外す・外れる」「留守にする」などの意味を持っていた。
これもすぐ単語として消えたが、変形した形で残った可能性もある。つまり、「ペケ」になったのではないか。手をバツの形にして言う「ペケ」は中国語の「不可(ブーコー)」を由来とする説もあるが、「ピッギ」説もあり、はっきりしていない。
必要に応じて外国語の語彙を吸収していく日本語のメカニズムは、順調に働いている(言ってみれば「サランパンではない」)。
さて、ここのところだいぶバズってきた、ニューフェースの「やばいンデ」と「チンチャそれな」はどうなるのだろうか。国民はゴーサインを出すのか? それとも......ペケ?
トニー・ラズロ
TONY LÁSZLÓ
1960年、米ニュージャージー州生まれ。1985年から日本を拠点にジャーナリスト、講師として活動。コミックエッセー『ダーリンは外国人』(小栗左多里&トニー・ラズロ)の主人公。
2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「ボス」になれないことだ 2024.04.25
便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること 2024.04.18
温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本の極楽 2024.04.11
「無罪の推定」を無視する日本のマスコミ報道には違和感しかない 2024.04.06
ウォシュレットや炊飯器は「序の口」...ジョージア大使の「最強のおもてなし術」とは? 2024.03.30
株価は最高値更新なのに、日本人の気分は暗すぎる...このギャップをどう考える? 2024.03.17
いま、紹興酒が日本でブーム!(の兆し) 「女児紅」「孔乙己」知ってる? 2024.02.29