最新記事

尹錫悦

韓国次期大統領、BTSファンから「総スカン」...過去にはMJを就任式に呼んだ大統領も

S.Korea's Incoming President Faces Backlash From BTS Fans

2022年4月8日(金)19時25分
シン・ヒョンヒ
BTSグッズ

Kim Hong-Ji-REUTERS

<大統領就任式でのBTSのパフォーマンス披露を検討していたとされる尹錫悦陣営だが、韓国ではこれまでも就任式にセレブたちが花を添えてきた>

韓国大統領選挙に勝利し、5月10日に新大統領に就任する予定の尹錫悦(ユン・ソギョル)だが、早くも韓国の音楽グループで世界的な人気を誇る「BTS(防弾少年団)」のファンたちからは嫌われてしまったのかもしれない。

「ARMY」という呼び名で知られるBTSファンたちは、尹は自らの支持率を上げるため、自分たちのアイドルを利用するつもりだと批判している。5月10日に開催される大統領就任式でBTSがパフォーマンスを行う可能性を、尹の政権移行チームが示唆したことが騒動の発端だった。

大統領就任準備委員会のウェブサイトには、4月7日の時点で1800以上の投稿があり、いずれもポップと政治を「混同」するなと非難している。ある投稿には、こう書かれている。「BTSを政治に利用するのはやめてほしい。彼らはあなたの支持率を上げるために存在するわけではない。彼らは、韓国の文化を広める世界的なアーティストだ」

青瓦台(大統領官邸)に対するオンライン嘆願も4月6日に始まり、すでに約6000の署名が集まっている。また、多くのファンたちが、韓国のファンコミュニティー・プラットフォーム「ウィバース(Weverse)」に、ハッシュタグ「#NoBTSforInauguration(大統領就任式にBTSはいらない)」を付けてコメントを投稿している。

尹の政権移行チームは当初、そのような計画はないと否定していた。だが現在は、大統領就任式でBTSの公演を行うかどうかは未定だと述べている。

BTSが関与する可能性が初めて明らかにされたのは、大統領就任準備委員長が4月5日にラジオ出演した際のことだ。準備委員長の朴柱宣(パク・ジュソン)は「チュ・ジヌのライブ」という番組内で、「BTSの公演を準備しているのか」と聞かれ、「今、議論している」と答えた。

過去にはPSYやマイケル・ジャクソンも出席

BTSの所属事務所HYBE(旧ビッグヒット・ミュージック)は、尹の事務所から正式に招待を受けていないと述べている。

現大統領の文在寅(ムン・ジェイン)は、2017年の就任時に公式の式典を行わなかったが、過去の大統領就任式では、人気歌手や俳優がエンターテインメントを提供してきた。

2013年に行われた朴槿恵(パク・クネ)の就任式では、ラッパーのPSY(サイ)が約7万人の観客の前で、前年の世界的ヒット曲「江南(カンナム)スタイル」を風変わりな乗馬ダンスとともに披露した。1998年の金大中(キム・デジュン)の就任式には、マイケル・ジャクソンが出席した。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

中国人民銀には追加策の余地、弱い信用需要に対処必要

ビジネス

訂正(17日配信記事)-日本株、なお魅力的な投資対

ワールド

G7外相会議、ウクライナ問題協議へ ボレル氏「EU

ワールド

名門ケネディ家の多数がバイデン氏支持表明へ、無所属
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中