最新記事

新型コロナウイルス

インド、国民の3分の2にコロナ抗体

2021年7月21日(水)07時59分
インド・デリーの市場

インドが20日に公表した調査で、インドの人口の3分の2が新型コロナウイルスに対する抗体を持っていることが分かった。デリーの市場のようす。6月撮影(2021年 ロイター/Adnan Abidi)

インドが20日に公表した調査で、インドの人口の3分の2が新型コロナウイルスに対する抗体を持っていることが分かった。調査は6月と7月に全国の2万9000人を対象に実施した。

抗体を検出する血清検査の第4回となる今回は、初めて6─17歳の子ども8691人を含んだ。半数が血清陽性だった。

大人は、62%がワクチン接種を受けていない中、67.6%が血清陽性だった。ワクチンを受ける資格がある大人のうち、7月時点で2回接種した人は8%強だった。

インドの人口14億人のうち、約4億人は抗体がなかった。

インドでは新型コロナ感染の第2波によって医療システムが混乱した後、今は新規感染者数が4カ月ぶりの低水準に落ち着いた。ただ専門家は当局に対して、経済活動の早期再開に対して警告し、観光地が混み合うことに懸念を示した。

政府顧問のビノッド・クマール・ポール氏は記者会見で「第2波はまだ続いている。新たな感染拡大のリスクは大いにある」と指摘。「どこに住んでいようと、3人に1人が依然として感染し得る。パンデミック(世界的大流行)は決して終わっていない」と話した。

調査対象の7252人は医療従事者で、85%が抗体を持っていた。10人に1人はワクチンを接種していなかった。

6月に公表されたデータによると、金融都市ムンバイで18歳未満の住民の少なくとも半分が新型コロナに感染して抗体を保有していた。

一部の専門家は第3波が子どもに打撃となる可能性があると指摘する。準備対策としてムンバイはほかの都市とともに、大型の小児病棟を建てている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ベーカー・ヒューズ、第1四半期利益が予想上回る 海

ビジネス

海外勢の新興国証券投資、3月は327億ドルの買い越

ビジネス

企業向けサービス価格3月は2.3%上昇、年度は消費

ビジネス

スポティファイ、総利益10億ユーロ突破 販促抑制で
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中