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コロナ禍の新人をどう育てればいいのか、先輩社会人としてできる4つのこと

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2021年5月28日(金)17時35分
リンゼー・ポラック(初期キャリア形成専門家)
悩める新卒者(イメージ)

2021年卒生の大学生活はコロナ禍という歴史的な荒波に見舞われた PHOTO ILLUSTRATION BY NEWSWEEK; SOURCE IMAGES: LJUPCO/ISTOCK (2)

<手探りのリモート授業が終わり、いきなりフルタイムの仕事が始まって苦しむ若者のスムーズな船出を助けるには>

房付きの角帽をかぶって、ガウンを着込み、著名人の激励のスピーチを聞く。そしてついに、学生代表が自分の名前を読み上げる――。

ただし、テレビ会議アプリのズーム(Zoom)の画面上で。昨年に続き、2021年のアメリカの大学卒業式はオンラインで行われている。工夫は凝らしてあるが、学生たちが子供の頃から思い描いてきた卒業式のイメージと全然違う。

それだけではない。今年のアメリカの新卒者は、ひょっとすると史上最悪の労働市場に入っていく。一時と比べれば雇用統計は力強さを増してきたが、大学卒業ほやほやの新人の採用は、コロナ禍前と比べて45%減ったとされる(労働市場分析会社バーニング・グラス・テクノロジーズ調べ)。

つまり、これから新たに社会に出る400万人の若者は多くの助けを必要としている。その負担を本人たちだけに担わせるのは、あまりにも酷だ。そこで私たち先輩社会人が手伝える方法を紹介しよう。

◇ ◇ ◇

■プチメンターになる

「私のメンターになってください」と言われるのは、初デートで「私と結婚してください」と言われるのと同じくらいビビる経験だ。もちろん、定期的にサポートする時間があるなら引き受けたらいいだろう。だが、たいていの人はそれほど余裕はない。

そこで違う方法を試してみよう。例えば、ズームで15分間相談に乗る。あるいは、就職活動用の履歴書や作文の添削をする。ツイッターで、自分が社会人になりたてのとき助けになった本を紹介してもいいだろう。Q&Aサイトでキャリア関連の質問に答えたり、出身大学の就職センターで模擬面接のボランティアをするのもいい。メンター的な活動は、短期的なものでも役に立つのだ。

■自分の失敗談をシェアする

筆者は新卒時代、自分以外のみんなが社会人の基本知識を持っている気がして焦ったものだ。「どうしてみんな履歴書の書き方や、アパートの借り方を知っているの?」といった具合だ。最近の若者なら、「どうしてフェイスブックとインスタグラムの友達は、なんでも知っているように見えるの?」と思うかもしれない。

そんなとき、先輩社会人にできる最善のことの1つは、駆け出し時代の失敗談をシェアすることだ。どんなミスをし、どうして選択を誤ったのか。それは現代の若者が同じミスを犯すのを避けると同時に、右も左も分からないのは自分だけではないと気が付く助けになるだろう。

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