最新記事

米中関係

米中、気候変動対策でより強力なコミットメント必要との見解で一致

2021年4月19日(月)09時28分

中国と米国は、今年終盤に行われる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(​COP26)の前に、より強力な対策へのコミットメントが必要との見解で一致した。両国が4月18日、共同声明を発表した。1月、北京で撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

中国と米国は、今年終盤に行われる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(​COP26)の前に、より強力な対策へのコミットメントが必要との見解で一致した。両国が18日、共同声明を発表した。

中国生態環境省によると、声明は気候変動担当特使である解振華氏と米国のケリー大統領特使の15─16日の会談を受けたもの。

共同声明は「米国と中国は、気候危機に対処するため互いに、また他の国々と協力することにコミットしている」とし、パリ協定に基づく気温上昇抑制に向けた排出量削減で「2020年代の具体的な行動」に関する議論を継続するとした。

両国は、エネルギー貯蔵、炭素回収、水素を含む具体的な排出削減行動について議論することで合意。途上国が低炭素エネルギーにシフトするための資金調達の最大化に向け行動を取ると表明した。

ケリー特使は14日に上海に到着。バイデン米政権発足後では初の高官による訪中となった。米中は3月に米アラスカ州で行った高官級協議では激しい応酬を繰り広げていた。

米国はバイデン政権下でパリ協定への復帰を果たしており、同盟国の信頼回復に向け、排出削減に関する新たな方針を近く打ち出す見通しだ。

グリーンピースのシニア気候アドバイザー、Li Shuo氏は、上海協議の「機運」に乗じて、中国が米国の新たな取り組みに応じた独自の対応を近く取る可能性があるとし、「今回の声明は、政治的に可能な限り前向きなものだ。この問題で(米中が)協力するという非常に明確なメッセージを送っている。上海での協議前には、このようなメッセージは想定できなかった」と述べた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

カタール、ガザ交渉の仲介役見直し 政治的悪用に懸念

ワールド

G7外相、中東・ウクライナ情勢議論 イスラエル報復

ビジネス

訂正-焦点:低迷する中国人民元、企業のドル積み上げ

ビジネス

FRBのバランスシート縮小、25年まで続く公算=N
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像・動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 10

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中