最新記事

感染症対策

ファイザー製コロナワクチン最大活用に壁、特殊注射器の増産できず

2021年1月26日(火)09時36分

注射器(シリンジ)メーカー世界最大手のベクトン・ディッキンソンの幹部は、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン1瓶を最大活用するのに必要な特殊器具について、今後数週間で米国への供給を大幅に増やすことはできないと述べた。11日撮影(2021年 ロイター/DADO RUVIC)

注射器(シリンジ)メーカー世界最大手のベクトン・ディッキンソンの幹部は、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチン1瓶を最大活用するのに必要な特殊器具について、今後数週間で米国への供給を大幅に増やすことはできないと述べた。

ファイザーと独ビオンテックが共同生産したワクチンは、当初1瓶で5回接種できるとされたが、特殊な注射器があれば6回分の接種が可能になる。6回分の抽出により供給量は20%増え、接種回数によって対価を受け取るファイザーにとっても業績押し上げになる可能性がある。

米政府は6回分のワクチンを抽出する器具の提供を開始。疾病対策センター(CDC)のスポークスマンは、新たな注射器キットには大半に特殊器具が含まれていると述べた。

ベクトン・ディッキンソンは、特殊器具約4000万本を含む2億8600万本の注射器を提供する契約を政府と交わしており、同社の広報担当幹部は、合意分の供給に向け完全に準備ができていると述べた。

一方で特殊器具については、昨年に供給準備を始めた時点で政府と協議していなかったと明かし、「こうした器具は無限に生産できるものではなく、新たな生産ラインの立ち上げには時間がかかる」と語った。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラザーが価値向上策示せば、TOBに応じる可能性=

ビジネス

インテル、ASML次世代半導体装置を組み立て 世界

ビジネス

独経済、第1四半期はプラス成長の公算 回復兆候とは

ビジネス

ブルガリアのユーロ導入、数カ月後ずれも=中銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中