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アメリカ外交米政府、対トルコ制裁発動へ ロシア製ミサイル購入への対抗措置
米国は、ロシア製地対空ミサイル「S400」の購入を巡り、トルコに制裁を科す見通しだ。写真はアゼルバイジャンの首都バクーで軍事パレードを視察するトルコのエルドアン大統領。今年12月10日撮影。(2020年 ロイター/提供写真)
米国は、ロシア製地対空ミサイル「S400」の購入を巡り、トルコに制裁を科す見通しだ。米政府当局者を含む複数の関係筋が10日、ロイターに明らかにした。すでに問題を抱える両国の関係がさらに悪化するとみられる。
制裁は近く発表される可能性があり、トルコ国防産業当局の責任者イスマイル・デミル氏が対象になる見通し。一部のアナリストが想定している厳しいシナリオほどの影響はないとみられるものの、トルコに打撃を与えることになる。
これを受け、トルコリラは一時1.4%下落した。
トルコ政府高官は、二国間の関係悪化につながると指摘。「制裁は非生産的で、関係を阻害する。トルコは外交や交渉を通じた問題解決を望む。一方的な制裁は受け入れない」と述べた。
トルコのエルドアン大統領と協力的な関係を築いてきたトランプ米大統領は、アドバイザーらの助言にもかかわらず、トルコへの制裁に反対してきた。
しかし関係筋によると、トランプ氏が行動を取らないとしても、制裁は発動される見通しという。
米上院が週内にも採決を実施する見込みである年間7400億ドル規模の国防権限法案の最終版で、トルコへの制裁を30日以内に科すことが義務付けられているからだ。
関係筋によると、制裁の発表は11日になるとみられるが、早ければ10日にも行われる可能性がある。
トルコは昨年、ロシアからS400を購入。北大西洋条約機構(NATO)の防衛システムに統合することはなく、脅威にならないとしているが、米国はこれを脅威と受け止め、米ロッキード・マーティンが中心となって開発する最新鋭ステルス戦闘機「F35」の共同製造プログラムからトルコを除外した。
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