最新記事

飲食店

コロナ第3波で冬を迎える米国、シカゴの飲食店ではこたつが救世主に?

2020年10月28日(水)17時00分
松丸さとみ

企画提案者も、日本の冬の体験が忘れられなかった...... SmokedSalmon-iStock

<外食産業を新型コロナからなんとか守るため、飲食店で屋外での食事をいかに楽しむかというアイデアを募集。日本のこたつ案が入賞した......>

寒さの厳しいシカゴ、コロナ対策として屋外での食事を模索

米国は現在、新型コロナウイルス感染症の第3波に見舞われていると言われている。9月には米国疾病予防管理センター(CDC)が、コロナ感染拡大には外食が関与しているとの調査結果を発表しており、外食産業は生き残りをかけて厳しい冬の到来となる。

夏の間は、これまでは欧州ほどなじみのなかった「テラス席」が、レストランやバーにとって「経済面でのライフラインになった」とブルームバーグは報じている。しかし本格的な冬の到来を前に、いかにして安全に屋外で、しかも暖を取りながら食事をしてもらえるか、というところに頭を悩ませている事業者も多いようだ。

ブルームバーグによると、ニューヨークやワシントン特別区では、屋外で使用するためのヒーターの需要が高まり、購入が困難になっているという。しかし同紙はまた、すでに新型コロナで売り上げに打撃を受けている小規模事業者にとって、ヒーターのコストは無視できない負担だと指摘する。

このような状況の中、冬はマイナスにまで気温が下がるイリノイ州シカゴでは、外食産業を新型コロナからなんとか守るため、「ウィンター・デザイン・チャレンジ」を開催した。冬のシカゴでいかにして、飲食店で屋外での食事を楽しむかというアイデアを募集したのだ。

2週間の募集期間で応募総数は643件に達した。これらのアイデアの中から、建築家、デザイナー、シェフ、レストラン経営者、接客係らが、実現可能性、革新性、費用対効果、安全性、機能性をもとに、もっとも優れた3点を選び、このほど入賞作品が発表された。その1つが、日本のこたつそのものの「Heated Table」だ。

800x-1.png.jpeg

Ellie Henderson/Courtesy of OpenIDEO

日本で暮らした経験からこたつを提案

こたつを提案したエリー・ヘンダーソンさんは、提案書によるとシカゴ在住のグラフィック・デザイナーだ。食べることが大好きなヘンダーソンさんは、新型コロナウイルスで苦しんでいる地元の外食産業の支援をしたいと考えたのが、今回のデザイン・チャレンジに参加したきっかけだった。こたつのアイデアは、日本で暮らした経験からヒントを得たという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中