最新記事

2020米大統領選

アイオワ州党員集会を前にサンダース叩きで民主党分裂⁉

Michael Moore: Clinton, Biden, DNC on 'Trump Bandwagon' Against Sanders

2020年2月3日(月)18時25分
ベンジャミン・フィアナウ

2016年の大統領選ではサンダース(左)はクリントンを応援したのに今は敵? Brian Snyder-REUTERS

<クリントンやバイデンら民主党幹部は、サンダースの指名獲得を阻止しようとしていると、映画監督マイケル・ムーアが猛反論。内紛はトランプを利するだけだが>

バーニー・サンダース上院議員は自分以外の候補が民主党大統領候補に指名された場合、選挙協力を拒むだろう――そんな主張でサンダースを叩くヒラリー・クリントン元国務長官と民主党幹部に、映画監督でサンダース支持者のマイケル・ムーアがかみついた。

クリントンら民主党幹部がサンダースの民主党指名獲得を阻止しようとしているという報道を受けて、ムーアは民主党全国委員会(DNC)を激しく非難した。

2020年大統領選の初戦を飾るアイオワ州の党員集会を前にニュース専門放送局MSNBCに出演したムーアは、サンダース支持者を民主党分裂の元凶と非難するキャスター、アリ・ベルシの指摘に反論。2016年の選挙でサンダースがクリントンを支持したこと、今回も7月の党大会で決定された指名候補を支持すると誓ったことを挙げた。

党幹部はサンダースを敵視

ムーアは、ヒラリー・クリントンがサンダースについて「彼は誰からも好かれていない」と攻撃したこと、またジョー・バイデン元副大統領が、サンダースが指名を獲得しても支持しないと表明したことに触れ、これは「コーポレートデモクラット(企業側に立つ民主党員)」がトランプに味方をしている証拠だ、と述べた。サンダースは国民皆保険や大学の学費無料化などの政策を掲げるリベラル派で、若者たちに人気があるが、産業界からは非現実的な左派と疎まれている。

「サンダースは、民主党の大統領候補が誰になろうと、11月3日の大統領選挙での勝利をめざして全力で戦うつもりだと言い続けてきた。民主党の分断は、サンダースのせいじゃない。サンダースはいつも党の団結をめざしてきたし、前回の2016年の大統領選でもそうだった」とムーアは語った。

バイデンとクリントンの発言についてはこう言った。「民主党大統領候補を支持しないと言うなら、トランプ陣営に味方することになる。それは違う、と彼らは言うだろう。でも民主党候補を支持しないなら、いったい誰を支持することになるんだ?」

<参考記事>サンダースを熱狂的に支持する若者たちは、民主主義を信じていない
<参考記事>米民主党、バイデン・サンダースが依然2強 判断材料はトランプに勝つ可能性

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米石油・ガス業界のM&A、第1四半期は過去最高の5

ビジネス

米テスラ、メキシコ・インドの工場新設計画が不透明に

ビジネス

午前の日経平均は大幅続伸、ハイテク強い 先物主導で

ビジネス

今期事業計画はかなり保守的=永守ニデックグループ代
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中