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ブリトニー・スピアーズの後見制度はやりすぎでは? 米法律専門家の見解

Britney’s Next Step

2021年06月29日(火)17時46分
モリー・オルムステッド

スピアーズが後見制度に苦しんでいることを知ったファンが「#FreeBritney」のスローガンを掲げ裁判所前で抗議運動を展開(6月23日)MARIO ANZUONIーREUTERS

<子宮内避妊器具(IUD)の装着強要などは憲法違反の可能性も。スピアーズの訴えの妥当性と今後を論じる>

歌手のブリトニー・スピアーズ(39)は、10年以上にわたり金銭面と私生活を成年後見人である父親に管理されてきた。ところが6月23日、成年後見制度の適用により屈辱や虐待を受けてきたとして、初めて公の場で自らの苦しみを明らかにした。

裁判所の審理にリモートで出席したスピアーズは、自分の人生を自分のものとは思えないと怒りを吐き出した。後見人の許可がなければ友人にも会えず、自らの意思に反して公演を行うこともあったと主張。約6000万ドル相当の資産がありながら限られた小遣いを渡される生活で、精神鑑定や依存症治療、薬物検査を強いられてきたと訴えた。

しかもスピアーズは、子宮内避妊器具(IUD)の装着を強制されていると語った。「後見人に管理されている今は、結婚も出産もできないと言われた」と語っている。

一方、後見人である父親のジェイミーは、スピアーズが時々薬物を使用しており、他の要因も考慮すると後見制度の適用が最良の方法だと主張する。適用解除の申し立てができることを最近まで知らなかったというスピアーズは、父親は自分を虐待し、過度に管理していると非難している。

スピアーズの告発を受けて「#FreeBritney(ブリトニーを解放せよ)」という運動が始まっている。彼女が置かれている状況に関心が高まり、ファンが裁判所前で支援を表明する事態にもなった。

スピアーズの一件をどう考えるべきなのか。ミズーリ大学法学部で後見法を専門とするデービッド・イングリッシュ教授に、スレート誌記者のモリー・オルムステッドが聞いた。

――スピアーズは、自分は不幸な生活を送っていて父親は信じられないと主張している。今後考えられる展開は?

2つある。1つは後見制度の適用解除を申し立てること。もう1つは、後見人の交代を要求することだ。

把握している限りでは、判事はスピアーズに適用解除の申し立てを行うよう提案した。適用解除の場合、問題は次のようなことだ──スピアーズにはまだ後見人が必要なのか。危機的な状況で今の後見人が指名されたのなら、その必要性はあったのかもしれないが、危機が去った今も自分でやっていける力がないのか。最後にはその点が問われる。

――意思決定能力があると証明するには?

医師の診断書が要る。今回のケースでは、精神疾患の評価ではなく、日常生活を支障なく送れるという評価を裁判所に提出するといいだろう。

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