最新記事

音楽

「自分たちらしく、時代に合ったものを」デュラン・デュランが語る40周年

Forty Years Later

2021年10月22日(金)19時37分
デービッド・チウ
デュラン・デュラン

現在のデュラン・デュラン(左からロジャー・テイラー、ジョン・テイラー、サイモン・ルボン、ニック・ローズ) STEPHANIE PISTEL

<アルバムデビューから今年で40年を迎えた、元祖ビジュアル系バンド「デュラン・デュラン」が最新作で到達した新たな境地>

バンド結成から40年以上たつのに、このイギリス男たちの熱い絆は変わらない。ギターのアンディ・テイラーこそ抜けたものの、ボーカルのサイモン・ルボン、キーボードのニック・ローズ、ベースのジョン・テイラーとドラムのロジャー・テイラーの4人は不動のメンバー。浮き沈みの激しい業界の荒波を、力を合わせて乗り越えてきた。

「どんな嵐にも負けなかったのは、一緒に仕事をするのが楽しかったからだ。個人でやるよりも、グループでやるほうがずっと力強い作品を生み出せる」と、ローズは言う。

そのデュラン・デュランが通算15枚目のスタジオアルバム『フューチャー・パスト』を出した(日本では10月27日発売)。デヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどから受けてきた「過去」の影響を常に意識しつつ、一方で常に「未来」に目を向けて新しい音楽を生み出し続けるデュラン・デュランにぴったりのタイトルだ。

本作には、しゃれたエレクトロポップから洗練されたアートロック、さらには強烈なファンクロックまで、彼らの「らしさ」がふんだんに盛り込まれている。プロデューサーにはマーク・ロンソンを迎え、日本のガールズバンドCHAIやピアノのマイク・ガーソンなど、ゲストアーティストも豪華な顔触れだ。

「どんなアルバムも僕たちらしくなければいけないし、時代に合っていなければいけない」と、ローズは言う。「両方のバランスを取るのは難しいが、それをやり遂げてこそ僕らの音楽になる。今度もその水準をクリアできたと、みんな確信している」

多彩なコラボにも挑戦

最新シングルのタイトルは「アニバーサリー」で、1980年代前半のデュラン・デュラン全盛期を「記念」するような作品。ベースのジョンに言わせれば「自分たちらしいサウンドを意識的に組み込んだという点では例外的な曲で、いわば自分たちへのトリビュート」だ。

今回のアルバムでは、新たに3人とのコラボにも挑戦した。1人目はイギリス在住のプロデューサー兼DJで、デス・フロム・アバヴ1979などのリミックスを担当したことで知られるエロル・アルカンだ。ドラムのロジャーによれば、「彼は現場に強烈なエネルギーをもたらし、私たちから素晴らしいものを引き出してくれた」。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米上院、ウクライナ・イスラエル支援法案可決 24日

ビジネス

米、競業他社への転職や競業企業設立を制限する労働契

ワールド

ロシア・ガスプロム、今年初のアジア向けLNGカーゴ

ワールド

豪CPI、第1四半期は予想以上に上昇 年内利下げの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中