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「アクシージア」の挑戦 高品質な化粧品を世界へ届けたい。

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2021年9月7日(火)11時00分
写真・遠藤宏  文・西田嘉孝
段 卓 株式会社アクシージア代表取締役

段 卓 だん たく 株式会社アクシージア代表取締役
大学院修了後、大手上場企業にシステムエンジニアとして就職。退社後、関東を中心にエステサロンを展開する(株)フェリークを2003年に設立し、代表取締役に就任した。その後に化粧品製造販売事業を取り扱うグループ会社として、(株)アクシージアを2011年に設立。2021年2月、東証マザーズへ上場を果たす。

「『アジアの美』を日本から世界へ発信する」をコンセプトに革新的な化粧品を展開し、とりわけ中国市場で存在感を放つアクシージア。日本発ビューティーブランドの飛躍的な発展の理由や今後のビジョンについて、ブランドの創設者である段卓氏に語ってもらった。

 2011年に、東京でエステサロン専売スキンケアブランドとして誕生したアクシージア。同ブランドを擁する株式会社アクシージアは、今年2月に東証マザーズ上場を果たし、日本以上に中国の美容業界で大きな注目を集める急成長企業だ。

 創設者は中国出身の段卓氏。段氏は中国で国家重点大学に指定される名門のアモイ大学を卒業後、日本へ留学。琉球大学大学院などで経営学を学び、卒業後は日本で上場企業に就職した。

エステのプロが太鼓判を押す、メイドインジャパンの化粧品。

「アモイ大学は経済特区にあり、学生時代から常に仲間とビジネスの話をしていました。そうした環境は、いまの自分に大きく影響を及ぼしたと思います。日本で就職した企業では、私が中国で理系専攻だったこともあって、システム担当者としての採用でした。そこでゼロからプログラミングを学んでエンジニアになったのですが、仕事に余裕が出てくると独立への意欲が強くなり、入社4年目の2002年に起業を決意したのです」。

 友人たちと3名で資金を出し合い、段氏が最初にオープンしたのは10坪ほどのエステサロンだった。事業は順調に成長し、約10年で関東を中心に約45店舗を抱えるまでに躍進。その後は、共同出資者がそれぞれの道を歩むために分社化し、段氏はアクシージアを設立した。既存の化粧品とエステサロンで働くプロたちのニーズに微妙なズレを感じていたことから、自社での化粧品開発に乗り出す。

「サロンのニーズに応じて開発した試作品を200名の美容部員に試してもらい、評判の高いものを製品化するなど、当時から現場のニーズを汲んだ製品開発を重視していました。また、私は日本のモノづくりの技術の素晴らしさも知っていましたから、日本製であることにもこだわりました」。

 そう話す段氏が現在も貫くメイドインジャパンへのこだわりは、中国市場を視野に入れた戦略でもある。自社製品が完成した2012年から、日本や中国で開催される美容関係の大規模な展示会に欠かさず出展するなど、日中両国で等しくPRを行ってきた。目もとケアに特化した製品群や、ヒト幹細胞培養液から抽出したペプチドをフリーズドライ化するという特殊技術を活用した製品が評判を呼び、いまやアクシージアは日本でも注目の美容ブランドだ。ブランドの人気が加速するきっかけになったのは、中国EC市場への進出だった。

中国ECの爆発的な拡大がブランドの飛躍的成長を推進。

「ブランドを立ち上げた当初は、素晴らしい製品をつくっても、日本では新しいスキンケアブランドのひとつとしか見てもらえず苦戦しました。いっぽう中国市場では、日本の化粧品への憧れや信頼に絶大なものがあり、エステサロン専売品でありながらも、順調にブランドのファンを増やすことができたのです。そうやって土台を培ったうえで、2016年に開発した美容ドリンクを中国のECサイトで販売したところ、大ヒットしました。そこから勢いが加速。この4年間はBtoCに注力し、現在までに60以上のアイテムを投入しています」。

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