最新記事

5G

スペイン通信大手テレフォニカ、楽天とオープン5Gネットワークを共同開発へ

2020年9月17日(木)11時06分

スペインの通信大手テレフォニカと楽天は16日、携帯電話の高速大容量規格「5G」を用いた通信システムをめぐり提携したと発表した。写真はスペイン・マドリッドにあるテレフォニカ本社、2018年6月撮影(2020年 ロイター/Juan Medina)

スペインの通信大手テレフォニカと楽天は16日、携帯電話の高速大容量規格「5G」を用いた通信システムをめぐり提携したと発表した。高価な専用機を使わず、データ・音声通信をクラウド上で制御する「仮想化」と呼ばれる技術や、人工知能(AI)を用いる。

楽天は携帯会社として初めて、無線基地局間などをつなぐ「無線アクセスネットワーク(RAN)」の部分を、さまざまな基地局メーカーの製品を携帯会社側で自由に組み合わせて構築できるようにする「オープンRAN」を導入した企業だ。 

このシステムでは、クラウド上で通信機能を制御するとともに、制御も中国通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)、フィンランド・ノキア、スウェーデン・エリクソンなどが製造する専用機の代わりに汎用(はんよう)機を用いる。この汎用機の台数も少なくて済むため、携帯会社にとってはコストの大幅削減につながる。

楽天傘下で携帯事業を手掛ける楽天モバイルのタレック・アミン最高技術責任者(CTO)は電話記者会見で、今月中に日本で5Gサービスを開始すると指摘。同社は新型コロナウイルス感染拡大に伴う混乱で、延期を余儀なくされていた。

テレフォニカのエンリケ・ブランコCTOは「われわれはオープンRANでエコシステム(生態系)をつくる考えだ」と述べ、他事業者との協力に前向きな姿勢を見せた。

同社はすでにブラジル、ドイツ、スペイン、英国で試験的なオープンRANを展開中で、2022年の本格始動に向けて投資を強化している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死


20200922issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イスラエルがイランに攻撃か、規模限定的 イランは報

ビジネス

米中堅銀、年内の業績振るわず 利払い増が圧迫=アナ

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中