アマゾンやテスラが「脱炭素」産業に参入、日本企業に勝ち目はあるか
一連の動きを広範囲に、かつ機動的に実施するには、高度なAI(人工知能)システムと大規模クラウドというITインフラが欠かせない。
テスラはソフトウエアを駆使した高度な電力制御技術を使って事業を展開しており、アマゾンは電力利用者であると同時に、大規模なクラウドサービスを中核としたITインフラ事業者でもある(先日、アマゾンのクラウドが障害を起こし、国内の金融機関や通信会社のサーバーが相次いでダウンするトラブルが発生したが、日本のITシステムの多くがアマゾンに依存していることを改めて認識させた)。
つまり、脱炭素を成功させるためには、ハードウエアの技術以上に高度なITが必要となるわけだが、この点において国内産業の現状は厳しい。既に欧米中とのIT格差が拡大しており、当該分野に関するソフトウエア技術への大規模投資をすぐにでも決断しない限り、来るべき新時代において、中核技術のほとんどを外国企業に握られるという事態になりかねない。
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