「世界中でアメリカ大使が不在」で考える大使の存在意義
ウズベキスタンのカリモフ大統領(当時)は対米警戒心を強め、2005年末にはアフガニスタンで戦う米空軍に貸与していた大空軍基地から米軍を追い出し、米NPOも一斉に放逐してしまった。大使がいれば、もう少し何とかなったことだろう。
アメリカ大使の端境期は長くなる一方だ。これは米政府の国内重要ポストについても言えることで、人事承認は上院での党派間取引の具の1つとなり、機が来るまで棚ざらしになる。だからアメリカの新政権は、最初はいつも張り子の虎になってしまう。
日本は戦後、アメリカの制度を随分取り入れてきた。政官関係、企業ガバナンス、何でもアメリカのやり方が模範とされる。確かに、情報公開や説明責任の向上などは日本に大いに必要なものだ。一方で、大使人事を政党間の取引の具にしたり、政治資金拠出者に大使のポストを大盤振る舞いするようなことをまねる必要はない。
時には、アメリカがかつて模範としていた西欧諸国のやり方を参考にしたらいいし、何よりも日本の歴史・社会に根差した自分たちの民主体制を編み出したらいいのだ。
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