ニュース速報

ワールド

北朝鮮、対米関係で対話と対立双方に備えを─金総書記=国営通信

2021年06月18日(金)18時09分

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、対米関係で対話と対立の双方の用意をすべきだとし、特に対決に備える必要があるとの見解を示した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が18日、伝えた。写真は17日、KCNAが提供(2021年 ロイター)

[ソウル 18日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は対米関係について、対話と対立の双方の用意をすべきだとし、特に対立に備える必要があるとの見解を示した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)が18日、前日の朝鮮労働党中央委員会総会での発言として伝えた。

KCNAによると、金氏はバイデン政権の対北朝鮮政策の傾向を詳細に分析した結果、米国に対する「適切な戦略的抵抗」を維持すべきだと主張。北朝鮮の威厳と利益を守るため、米国との対話と対立の双方に備える必要があり、特に対立への備えを万全にすべきだと強調、それにより、北朝鮮の平和と安全が保証されると述べた。

金氏はまた、北朝鮮の戦略上の立場と役割をさらに向上させる必要があるとも述べた。

金氏がバイデン政権について直接発言したのは今回が初めて。19日に米国の北朝鮮担当特使であるソン・キム氏が韓国を訪問し、日本を含めた3カ国による高官会合を開催する予定となっている。

<批判抑制、対話に前向きなサインとの見方>

核問題に詳しい米マサチューセッツ工科大学(MIT)のヴィピン・ナラン准教授は、金氏の発言はバイデン政権を挑発するのは控える一方、「様子見」姿勢の継続を示していると分析。

「北朝鮮は現時点で主導権は米国にあると考えている様子で、バイデン政権からどのような働き掛けがあるか見守るつもりのようだ」と述べた。北朝鮮が昨年の台風被害が原因で食糧不足に見舞われ、新型コロナウイルス感染拡大のリスクもあるとの指摘がある中、「金氏は短期的に対立回避を願っていると想定できる」とした。

北朝鮮大学院大学(ソウル)のヤン・ムジン教授は、金氏が将来のある時点で米国との協議に復帰するつもりがあるというメッセージを送っているとみる。

「(金氏は)対立と言ったが、韓国と米国への批判は控え、地政学的に安定した状況を維持する必要性を強調した」と述べた。

北朝鮮では15日に朝鮮労働党中央委員会総会が開幕した。総会は主要政策の進捗を検証したり、懸案の打開策を検討する。金氏は初日に新型コロナ流行や昨年の台風被害により食糧事情が切迫していると指摘し、対策を指示した。

外交関係者やアナリストは、北朝鮮では広範囲に食料不足が起きており、政府は認めていないが新型コロナの感染が広がっていると指摘する。すでに制裁で打撃を受けている経済は、国境閉鎖でさらに悪化している。

<中国、非核化へのロードマップ作成求める>

中国外務省の趙立堅報道官は定例記者会見で、朝鮮半島の非核化に向けて「実行可能な」ロードマップをまとめるよう米国と北朝鮮に促していると述べた。

「関係国はこの機会を利用し、状況を段階的に改善するよう取り組むべきだ」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

東京都、新たに4058人のコロナ感染者を確認 初の

ビジネス

アングル:コロナ再拡大に大洪水、世界の供給網「限界

ワールド

焦点:見直し迫られるバイデン氏のコロナ戦略、デルタ

ビジネス

伊銀モンテ・パスキ、コア資本比率マイナスも=EU健

MAGAZINE

特集:モデルナの秘密

2021年8月 3日号(7/27発売)

コロナワクチンを高速開発したベンチャー企業モデルナの正体とmRNA治療薬の可能性

人気ランキング

  • 1

    いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳

  • 2

    東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

  • 3

    女子陸上短距離ジョイナーの「伝説と疑惑の世界記録」は東京で破られる?

  • 4

    パリ五輪ロゴの出会い系アプリ激似説がネットで再燃

  • 5

    ドラァグクイーンと子供のふれあいイベントが抗議殺…

  • 6

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だ…

  • 7

    福山雅治ほどの温厚な人を怒らせた「3つのスイッチ」とは

  • 8

    コーチもいないオーストリアの数学者が金メダル、自…

  • 9

    「お尻がキラキラ光るクモ」ではなく、無数の赤ちゃ…

  • 10

    ワクチンが怖い人にこそ読んでほしい──1年でワクチン…

  • 1

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 2

    東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「罵倒」連発で騒動に

  • 3

    いくら太陽光発電所を作っても、日本の脱炭素政策が成功しない訳

  • 4

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手…

  • 5

    チベットの溶ける氷河から、約1万5000年前の未知のウ…

  • 6

    競泳界の「鉄の女」が水の上を歩く奇跡の一枚

  • 7

    「無駄に性的」罰金覚悟でビキニ拒否のノルウェー女…

  • 8

    東京五輪は始まる前から失敗していた

  • 9

    東京五輪、視聴率苦戦の根本理由

  • 10

    地球帰還のベゾス氏、空気を読まない発言に怒りが集…

  • 1

    1匹だけみにくい子猫、病気と思ったら「オオカミ」だった

  • 2

    加害と向き合えない小山田圭吾君へ──二度と君の音楽は聴きません。元いじめられっ子からの手紙

  • 3

    20万円で売られた14歳日本人少女のその後 ──「中世にはたくさんの奴隷がいた」

  • 4

    「無駄に性的」罰金覚悟でビキニ拒否のノルウェー女…

  • 5

    東京五輪、中国人バド選手が韓国ペアとの試合中に「…

  • 6

    「1日2個、カットしてスプーンで食べるだけ」 メンタル…

  • 7

    「競技用ショーツが短すぎて不適切」英パラ代表選手…

  • 8

    人間のオモチャにされたイルカ死ぬ──野生動物に触る…

  • 9

    韓国で、日本製バイクの販売が伸びている理由

  • 10

    テスラ6月に発売した新型「モデルS」運転中に発火=所…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中