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フィリピン中銀が政策金利据え置き、インフレ加速でも成長優先
フィリピン中央銀行は23日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り過去最低の2.0%に据え置いた。マニラの本店で2016年撮影。(2021年 ロイター/Romeo Ranoco)
[マニラ 23日 ロイター] - フィリピン中央銀行は23日、政策金利の翌日物リバースレポ金利を予想通り過去最低の2.0%に据え置いた。インフレ圧力が高まっているものの、新型コロナウイルス流行の余波を受けている経済の支援を優先する。
据え置きは7会合連続。ロイターのエコノミスト調査でも据え置きが予想されていた。
翌日物預金金利と翌日物貸出金利も、それぞれ1.5%と2.5%に据え置いた。
ジョクノ中銀総裁は会見で、インフレ圧力はまだ制御可能で、成長の見通しが不確実なことから現行の金融政策は適切と説明した。インフレ率は中銀の目標レンジ(2─4%)を上回っている。
総裁は「回復の見通しは引き続き、フィリピン経済により深刻な悪影響が及ぶのを防ぐ機動的な措置にかかっている」と述べた。
フィリピン経済は第2・四半期にリセッションから脱したが、7月から9月半ばまで厳格なロックダウンが再導入され、見通しが不透明になった。
政府は8月、2021年の成長率目標を6.0─7.0%から4.0─5.0%に引き下げた。
キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、アレックス・ホルムズ氏は「フィリピン経済は依然非常に弱く、当面緩和的な政策を維持する必要があるとみられる」と述べた。同氏は、追加利下げは予想していないが、利上げも2023年までないとみている。
ただインフレは加速しており、8月は前年比4.9%上昇と、約3年ぶりの高い伸びを記録した。
中銀は今年の平均インフレ率予想を4.1%から4.4%に、22年は3.1%から3.3%に、23年は3.1%から3.2%に引き上げた。