ニュース速報

ビジネス

英GDP、3月は予想上回る前月比+2.1% 第1四半期は前期比-1.5%

2021年05月12日(水)18時16分

 5月12日 英国立統計局(ONS)が発表した3月の国内総生産(GDP)は前月比2.1%増加し、伸び率は市場予想の1.3%を上回った。写真は2月12日、ロンドンで撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日に発表した3月の国内総生産(GDP)は前月比2.1%増加し、伸び率は市場予想の1.3%を上回った。

新型コロナウイルス流行に伴う冬季のロックダウン(都市封鎖)から回復し始める中、小売り分野、学校と建設分野の再開が成長をけん引した。

3月はサービス部門が前月比1.9%成長。昨年8月以来の大幅な伸びとなった。製造部門と建設部門もアナリスト予想を上回る成長を見せた。

ユーラー・ヘルメスのマクロ経済調査責任者、アナ・ボアタ氏は、コロナ規制緩和により、夏に向けて事業活動が活発化していく可能性があるとの見方を示した。

3度目のロックダウン下にあった第1・四半期のGDPは前期比1.5%減。英中銀の最新見通しに沿う内容となった。

スナク財務相は「厳しい今年のスタートとなったものの、3月の経済成長は前向きな兆候だ」と指摘。「経済再開が慎重に進む中、回復支援に必要なあらゆる措置を引き続き講じる」と述べた。

英国経済の規模は、新型コロナ流行が欧米に打撃となる前の2019年末時点を依然として8.7%下回っている。英中銀は今年末までに流行前の規模に戻ると見込んでいる。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トゥーム氏は、第1・四半期は予想したほどの落ち込みではなかったものの、英国は日米欧7カ国(G7)の中で4四半期連続で出遅れたと指摘した。ただ第2・四半期は5%成長が見込まれ「ついにG7内最下位を脱することになる」と述べた。

第1・四半期の企業投資は約12%減少した。ONSは、一部企業が欧州連合(EU)単一市場離脱に伴う混乱を避けようと投資計画を2020年終盤に前倒ししたり、今年4月施行の新たな税優遇措置を利用しようと投資を先延ばししたと説明した。

これとは別の貿易統計では、第1・四半期における英国のモノの輸入は、欧州連合(EU)各国からよりも非EU各国からのほうが大きくなった。統計を取り始めた1997年以来で初めての現象だ。

ONSは、これがトレンドの始まりなのか短期的な現象に過ぎないのか判断するのは時期尚早と指摘した。

ONSの統計専門家、ダレン・モーガン氏は「EU向けのモノの輸出は3月も引き続き増えており、現在ではほとんど12月の水準に戻っている。しかし、欧州からの輸入は第1・四半期もさえないままで、統計開始以来初めて非EUからの輸入に追い越された」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ビジネス

再送-〔ロイターネクスト〕米第1四半期GDPは上方

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円以外で下落 第1四半期は低
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中