トランプ後の共和党とQアノン、アメリカのファシズム的未来
共和党は、異人種に対して被害者意識を抱く人々の政党と化していて、政府の機能を有用なものと考えず、自分たちの「リーダー」を祭り上げることにより、民主政治の「抑制と均衡」の仕組みを弱体化させようとしている。
これは、もはやファシズム以外の何物でもない。問題は、そのような政党がアメリカの2大政党の1つであることだ。
4年半前の2016年7月、トランプがこの年の米大統領選の共和党候補者指名を獲得したとき、筆者は本誌への寄稿「自称『救世主』がアメリカを破壊する」の中でこう記した(2016年8月9日号)。
「古代ギリシャの哲学者は(トランプの)出現を予見していた......古代の賢人が警告してから2400年後、そして近代初の民主共和制の国アメリカが誕生してから240年後の今、賢者の警告を裏付けるようにトランプは出現し、アメリカの政治制度を破壊しようとしている」
アメリカ政治の麻痺状態は、今後もますます深刻化するだろう。共和党が政治的存在感を失い、政治システムが白人の怒りと不満と妨害行為を克服し、金融エリートたち(大半は白人だ)が経済的・政治的実権を握り続ける状況に終止符が打たれるまで、政治の機能不全は続く。
アメリカの民主政治は、トランプ政権の4年間で破壊される一歩手前まで来た。トランプと共和党が生み出したQアノンの狂気とファシズムは、その破壊をいっそう進行させるのかもしれない。
<2021年1月19日号「トランプは終わらない」特集より>
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