コラム

1社目は辞めてもいい? 「第2エリート」というキャリア戦略

2019年05月07日(火)17時09分

私は自分のこうした経験から、1社目や2社目でうまくいかなかった人でもエリートになる道はあると考えています。このようなエリートを私は「第2エリート」と名付けました。新卒にも「第2新卒」という言葉があるように、エリートの中にも「第2エリート」というポジションを確立してよいと考えたからです。

キャリア戦略を考えるうえでの3つのポジション

「第2エリート」を目指せる人には共通の特徴があります。それは、社会人になり立てのころは妙に「青臭い」ことです。

キャリア戦略を立てるときのポジショニングとして、以下の3つがあると言われています。

1)ドリーマー(夢想家)

2)リアリスト(現実家)

3)クリティック(批評家)

前述した「青臭い」というのは「夢想家」を指します。社会に出てまだ現実を知らないのに夢が大きすぎて、「会社に入ったらコレがやりたい!」「自分の可能性をぶつけてやる」などと、意気込みが先行しているドリーマーたちのことです。

理想が高すぎる状態で入社すると、現実を突き付けられ、意気消沈してしまいがちです。ここで目の当たりにする「現実」とは、以下の2種類です。

● 社会に出たらやりたいと思っていたことを、なかなかさせてもらえないという現実

● 社会に出たらやりたいと思っていたことを、やれる"実力"がないと気付かされる現実

通常のエリートは、2つ目の現実には直面しません。それぐらいの実力は備わっているため、理想が高すぎても、しばらく会社の言われるとおりにやっていけば、いずれ道は開けるだろうという自信があります。

エリートが作る「自分資産」と「関係資産」

現実を直視するリアリストでもありますので、若くても感情のコントロールが正しくできます。腐ることなく、成功した先輩や先人の教えを守り、地道に自己投資を繰り返し、「自分資産」の形成に励みます。正しい「自分資産」を積み上げていけば、いずれ素晴らしい仲間――「関係資産」が手に入り、その過程が将来エリートとして開花したときに大いなる財産として恩恵をもたらすことを知っているのです。

プロ野球でいえば、入団後、すぐに一軍登録されなくとも、ファーム(二軍)でみっちり体作りや基礎トレーニングに打ち込む、ということです。謙虚な姿勢で取り組むので、首脳陣にも目をかけられ、常にアドバイスをもらうことになります。実力もあるので、数年で一軍に昇格し、活躍することになります。

エリートは、思い描く理想の「状態」を見据えながらも、そこへと誘う「プロセス」を正しくイメージして進んでいきます。いわゆる「守破離」の思想です。

プロフィール

横山信弘

アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタント。全国でネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」発起人。「横山信弘のメルマガ草創花伝」は3.5万人の企業経営者、管理者が購読する。『絶対達成マインドのつくり方』『営業目標を絶対達成する』『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者。著書はすべて、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。年間100回以上の講演、セミナーをこなす。ロジカルな技術、メソッドを激しく情熱的に伝えるセミナーパフォーマンスが最大の売り。最新刊は『自分を強くする』。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

24年の独成長率は0.3%に 政府が小幅上方修正=

ビジネス

ノルウェー政府系ファンド、ゴールドマン会長・CEO

ビジネス

米株「恐怖指数」が10月以来の高水準、米利下げや中

ビジネス

中国大手銀5行、25年までに損失吸収資本2210億
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story