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ヨシヒロミウラ|ベトナム

ベトナムのCBDC(中央銀行デジタル通貨)導入はどうなるのか?

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ベトナム国立銀行(SBV)は、2021年から2025年の間に非現金支払いを開発するプロジェクトを承認する首相の決定を実施する計画を発表した。

SBVは、非現金システムの開発のために、銀行セクターにおけるFintech技術を使い、CBDCの仕組みと方針を調査し政府に報告するとのこと。

さて、このFintech、CBDCとは何なのでしょうか?

Fintechとは?

フィンテック、fintechとは、Finance(金融)とTechnology(技術)を組み合わせた造語であり、ファイナンス・テクノロジー(フィナンス・テクノロジーとも呼ばれる)の略。

「ICTを駆使した革新的(innovative)、あるいは破壊的(disruptive)な金融商品・サービスの潮流」などの意味で使用される。既存の金融機関が持つ総合的な金融サービスのうち、顧客が必要とする一部の機能のみに特化することで、低コストでサービスを受けることが可能となる。

フィンテックと金融工学は共に金融に情報処理を用いたものであるが、違いとして、金融工学は従来の手法に情報処理を用いるものである、フィンテックは情報処理技術を用いて新たな金融サービスを作り出すという用語として使われる。例として、株式投資で利益を出すために情報処理を用いるのが金融工学であり、情報処理を用いて株のオンライン取引を提供することがフィンテックである。

フィンテック wikipediaより

CBDCとは?

(ちゅうおうぎんこうデジタルつうか、 central bank digital currency, CBDC)あるいは中央銀行発行デジタル通貨(ちゅうおうぎんこうはっこうデジタルつうか)は、中央銀行が発行したデジタル通貨の一種で、デジタル不換紙幣(政府の規制、金融当局、または法律によってお金として確立された通貨)。

現在のCBDCの概念はビットコインに直接触発されたものだが、CBDCは国家の中央銀行が中央集権的に発行する、という点で仮想通貨や暗号通貨とは異なる。

中央銀行デジタル通貨 wikipediaより

2021年は特に世界的な暗号資産の盛り上がりからFintech(フィンテック)・CBDCという言葉を聞いたことがある方は多いだろうと思います。

すでにバハマ、カンボジアはCBDCを導入し中国は国内都市で実験中。

そんな世界的なFintechの波がベトナムにも押し寄せ、CBDCを研究開発する事になったというわけです。

ベトナムのCBDC(中央銀行デジタル通貨)はどうなるのか?

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ベトナム国立銀行 State Bank of Vietnamの事務所 筆者撮影

このCBDC開発プロジェクトは、ベトナム政府のデジタル・ガバメントに向けた電子政府の発展戦略の1つとして実施されています(参照)。

ベトナムのCBDCモデルは、ソブリン暗号通貨でなければならない。

ソブリン暗号通貨、これは政府発行の暗号通貨という意味です。

ソブリン暗号通貨は、一般にステーブルコインと呼ばれる不換紙幣の仮想通貨(USDT、USDC、BUSD等)に非常に似ています。

しかしブリン暗号通貨はブロックチェーンネットワーク内に存在し処理されるコインですが、

その価値はその国の法定通貨に固定される。

ステーブルコインとしてCBDCを発行することで、仮想通貨の氾濫による金融システムの不安定化のリスクを回避できる。

また、ステーブルコインのような革新的なプライベート決済ソリューションが適切に管理されていれば、

CBDCが不要になる可能性があることを以前に示唆した人もいます。

しかし、ステーブルコインの信頼は、ステーブルコインの発行者が中央銀行のバランスシートへのアクセスを許可され、

プロジェクトに投資できるようになっていない限り、中央銀行がお金に変換する能力にも依存します。

SBVのCBDC開発プロジェクトは、手続きを簡素化し、電子決済を容易にするために、決済サービスプロバイダーと決済仲介業者の間の接続を強化することにも重点を置いています。

学校、病院、電気、上下水道、電気通信料などの様々料金支払いを都市部の郵便会社と情報を結び付けて共有し、現金以外の支払い方法で徴収します。

CBDCの主な利点は、ますます普及する社会のデジタル化におけるイノベーションによりキャッシュレス支払いを強化できる可能性にあります。

多くの新興国の中央銀行にとってCBDCの開発導入の推進力は、銀行をその金融システムに取り入れ、コスト、スピード等を向上させるチャンスがあるからです。

CBDCは、額面が本質的に保証されている唯一のデジタル通貨となるでしょう。

支払いの問題に関して、ホーチミン経済大学の研究チームは、通貨が完全にデジタル化されると、商業銀行の従来の役割は徐々に衰退するか、現代の金融システムから姿を消すだろうと仮説を立てました。

したがって、マネーサプライを再分配する際には、金融政策の実施の仲介役として商業銀行の役割を維持する必要があるが、実際には、それが新しい通貨制度の技術的基盤の役割を担うことになる。

紙幣を印刷するコストは、暗号化システムとブロックチェーンネットワークにインストールされているアルゴリズムを監視および改善するコストに置き換えられます。

商業銀行はコアノードとして機能し、金融サービスプロバイダーはエンドユーザーに到達するセカンダリノードとなるでしょう(参照)。

 

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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