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ヨシヒロミウラ|ベトナム

デルタ株vsベトナムの戦いは次のフェーズへ!都市を感染度で三分割 ハノイ市はロックダウン緩和

ホーチミン市を蛇行して流れるサイゴン川。ホーチミン市の水運の拠点であり水の供給源でもあります。 (Wysiati:iStock)

ベトナムのデルタ株との戦いが、次のフェーズへ移行中だ。

9月1日にファム ミン チン首相は、

70名以上の医療専門家、科学者、保健当局者、元保健当局者らのグループで会議を行い、

その結果ロックダウンがデルタ株と戦う唯一の方法ではないと述べたという。

その内容はデルタ株の感染封込みは長期戦に入り、より科学的な知見をもって実施するとのこと。


それからもベトナム3大都市と南部のロックダウンは続くが、

都市内をグリーン・イエロー・レッドと感染蔓延レベルに分け、

そして今後はグリーンゾーンを拡大出来るよう感染を抑え込む作戦を取り、

徹底した感染防止対策をした上で、配達業やフードデリバリー、

社会必需サービス(文房具・PC・バイク修理等)の営業許可するように改善した。

また、グリーンゾーン内では通行証の提示無く移動出来るようにするなど、

ロックダウンのやり方を改善している。

中国製ワクチンを拒否するベトナム人

第一波が発生した時から現在まで、ベトナム政府の新型コロナウイルスの感染防止対策は、

一貫して「対戦」だとグエン・フー・チョン書記長やファム ミン チン首相が伝え続けているが、

第4波の戦いで苦戦している原因は、

ベトナムのワクチン不足だろうと思われる。

ベトナム政府はワクチンを購入し全国民に供給するには資金不足で、

日本を始め、多くの国々からワクチンの供給を受けてきましたが、

中国政府と歴史的に仲が悪いため、

ベトナムは今まで唯一中国からの中国製ワクチンを受け取る事をずっと拒んできました。

しかし、ここにきて、ワクチン接種数が必要だと、

中国からの支援である中国製ワクチン、シノファームの接種を開始。

ベトナムの人々はシノファームを打ちたがらないんですが、仕方ありません。。。

ホーチミンでは18才以上の1回目のワクチン接種率は118%、2回目接種率は30%となり(参照)、

ホーチミン市にグリーンゾーンが増える日が近いと感じています。

私も先日、ハノイ市が実施するワクチン接種をしてきました。



特にハノイは1回目のワクチン接種率は99.4%と高く、

一日の感染者がここ数日はだいたい20名以下と少なくなってきており、

まだ市街中心地はレッドゾーンが多いですが、

ベトナムのデルタ株に襲撃された第4波は、どうやらワクチン接種の広がりにより収束されそうです。

ちなみに日本大使館がある邦人が多く住んでいる地域はグリーンゾーンとなっています。

感染者は少ないが、死者が多いベトナム

上の画像は、酸素ボンベをしながら病院には入れず、

アパートの通路で寝ている重症者。

ホーチミン市では重症者用の病床が不足しているからだ。

1波から3波までロックダウンと隔離で感染者2,594名、死者35名に抑え込んできたのに、

4月27日から始まった第4波以降の現時点(2021年9月19日)の感染者合計687,063人、死者17,090人になってしまい、

たった5ヶ月で感染者数は日本より約100万人少ないが、

死者数は日本とほぼ同じ(日本は17,156人)になってしまいました。。。。(参照)

今後もミュー株などがベトナムに入り感染蔓延の可能性はありますから、

ワクチン接種体制(ベトナムで開発したワクチンは現在臨床実験中)と病床体制を整えて、

首相の発言通りに、新型コロナの変異株が現れても、

ロックダウンせず経済活動を行い、

安全に暮らせるベトナムの実現を願っています。

ハノイ市はロックダウンを緩和!

最新の情報では、9月21日午前6時からハノイ市は市内の不要不急の外出の解除となりました。

ハノイ市内の感染者が減少傾向にあることが理由です。

通行証とハノイのグリーン・イエロー・レッドの3ゾーンは廃止となりました!

ただし飲食店は店内飲食の禁止、タクシー・バイクタクシーの一時営業停止は引き続き継続されます。

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Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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