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ベトナムと日本人

ヨシヒロミウラ|ベトナム

北海道根室のサンマを食べるベトナム人

(写真 iStock.gyro)

魚介類が好きなベトナム人

ベトナムは南シナ海に面した南北に細長い国で、長い海岸線があり、そして南部にはメコン川があるメコンデルタを持つ国ですから、海・川と密接な文化を育んできました。ベトナムの人々はよく魚介類を食べます。

それにヌクマム(Nước mắm)という魚醤(魚を発酵させて作った調味料)もあり、ヌクマムはベトナム料理の味付けに欠かせない調味料となっています。

魚醤の、その魚の発酵した濃厚な匂いと味は日本人にとって好き嫌いがハッキリ分れる味です。

日本ではタイから輸入した魚醤「ナンプラー」が多く流通しています。

しかし魚醤は日本には無い調味料ではなく、秋田・石川・香川県では伝統的に食されている調味料なんですよ。

日本も海に囲まれ川も多く海・川に密接な文化だという点ではベトナムと同じです。

しかしベトナム人と日本人の魚の嗜好の違いがあります。

それは日本人は海水魚を中心に食べますが、ベトナム人は主に淡水魚(川魚)を中心として食べる事です。

そして魚は主に煮魚と焼き魚にして食べるという点。

「刺身」という食べ方は南国ベトナムの食文化としてはやはり無くて、最近の和食ブームで刺身と寿司を食べる人が増えているという現状です。

筆者が住んでいるハノイにもショッピングモールや街中には和食レストランやブッフェが必ずあり、いつも人気でベトナム人の家族連れやカップルで賑わっています(今はコロナ禍で少なめですが。。。)

寿司・刺身は人気がある。では日本の焼き魚は人気があるのか?

和食がとても人気があるのは本当だし、「今ベトナムは和食ブームで、ベトナム人はみんな寿司や刺身が大好きなんですよー!」と言いたい所ですが、実際は、寿司や刺身など魚を生で食べるのが嫌いなベトナム人がまだまだ多いのが事実です。

和食レストランやブッフェでもそんな人のためなのか、必ず焼き魚がメニューにあって、サンマやサバ、キンメダイ等がメニューに載っています。

しかも地物ではなく、日本からの輸入!日本の焼き魚がべトナムでも食べられるのはベトナムに住む日本人にとっては本当にうれしい。

そんな刺身じゃない日本の魚では、サンマやサバが好きなベトナム人が多いようで、なんと市場(chợ チョ)やスーパー(Siêu thị シューティ)でも売られているんです。

和食レスランで食べた味が忘れられなく、家でも食べたくなるんでしょうか? 

次のページ 〚日本で品薄なサンマがベトナムでは安く食べられる!?〛

Profile

著者プロフィール
ヨシヒロミウラ

ベトナムハノイ市在住。北海道江別市出身。武蔵大学経済学部経営学科卒業。2017年に国際交流基金日本語パートナーズとしてハノイに派遣。ベトナムの人々と社会に魅了されベトナム定住。現在進行形のベトナム事情を執筆。ベトナム情報ブログ「ベトナムの日本人」と北海道江別市の情報サイト「江別市民ニュース」も運営。ベトナムハノイ市の日本食ネットスーパー「アクルヒハノイネットスーパー」応援係。えべつ観光特使として北海道江別市の納豆をベトナムへ輸出コーディネイト。ベトナムと日本・北海道を繋げる。ツイッター @yoshihiro_x

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