World Voice

イタリア事情斜め読み

ヴィズマーラ恵子|イタリア

ロックダウン中に誕生した命とイタリアで人気の名前ランキング

iStock-Prostock-Studio

| コロナウイルスの影響で出産は新たな低迷期にある

出生した赤ちゃんは40万人を下回り、福祉は変化しなければならない時がきているイタリア。

イアンスタットの人口統計学者、ジャンカルロブランジャルド(71歳)は、2019年以来、奇妙なことに気づいた。

チェルノブイリ有毒雲が到着してから9か月後、1986年5月にイタリアの出生率が(一時的に)10%低下した。その期間の基準と比較して、このコロナ禍で、イタリア人は出産の選択を延期することによって将来の生活に不安を覚え、経済的不確実性と恐怖を感じていることが大きな要因なのではないかと語った。

そんな中、

| ミラノでは、ロックダウン中に4,856の新しい命が誕生した

ミラネーゼの赤ちゃんの苗字(姓)に珍しい現象が起こっている。イタリアで最も一般的で多い姓はロッシ(ROSSI)さん、それを上回った姓がHúだった。胡 錦濤(フー・チンタオ、こ きんとう)主席と同じフーさんである。つまり中国人カップルの赤ちゃんがたくさんミラノで産まれたことになる。

姓ランキング.jpg
グラフィックデザイン @vismoglie

よく、フェラーリというと跳ね馬マークの高級スーパーカーを製造するメーカーがパッと思いつく人も多いと思うが、北イタリアではよくある苗字なのである。フェラーリという名前の企業や商店は北イタリアにはたくさんある。スパークリングワインのメーカー、重機クレーンメーカー、システムキッチンメーカー、などみんな跳ね馬高級スポーツカーとは全く関係のない、別業種のフェラーリなのだ。ロックダウン中に、1506人のフェラーリ君と1720人のフェラーリさんがミラノで誕生した。

そして、ミラネーゼの両親たちは、子ども達への名付けは、伝統的な名前に忠実であり続けたようだ。

1月1日から6月30日までに生まれた4,856人の赤ちゃんに名付けられた名前、「2020年上半期人気の名前ランキング」が発表された。


名前ランキング.jpg
グラフィックデザイン @vismoglie

2015年以来、ずっと変わらず、新生児に与えられた名前は、男の子はレオナルド、女の子はソフィアジュリアだった。

6位以下は、ダビデ(イタリアの子供44人と外国人19人)、フランチェスコ(イタリア人75人と外国人16人)アンナ(イタリア人64人と外国人17人)、レベッカ(43人)などの聖書の名前も愛されている)、マリア(イタリア人35人と外国人21人)、マルコ(48人)とマッテオ(イタリア人66人と外国人20人)などもより伝統的で一般的なイタリア人の名前だ。

外国人の母親や父親が名付けた子どもの名前も、男の子は昨年4位だったレオナルド(58人)が1位に輝いた。

今年初めてモハメド(34人)が1位からワンランクダウンの2位。以下、3位トンマーゾTommaso(28人)、4位アレッサンドロAlessandro(25人)、5位ロレンツォLorenzo(24人)

女の子は、1位アエネアス(44人)、2位エットレ(33人)、3位ダイアナ(31人)以下、4位ソフィアSofia(28人)、5位マリアMaria(21人)とアウーロラAurora(21人)、7位ジネヴラGinevra(19人)、8位サラSara、ジュリアGiulia、アリーチェAlice(それぞれ18人)

神話にリンクされた名前のノア(32人)、サムエル(48人)も外国人の親が子どもに名付ける人気の名前に上がった。

今年は生まれた子ども達とその家族のために、福祉プロジェクト「ようこそハグの家へ」が戻ってきた。生後数週間で、両親はミラノの自治体からウェルカムレターと子供と親の健康と福祉のための製品がつめられたLloyds Pharmacyのギフトパッケージが贈られた。

去年、ISTATがイタリアで最も人気のある名前のランキング発表では
2019年にイタリアで最も人気のある名前

20年間不動の1位であったフランチェスコが2位に順位を落とし、輝く人気1位に躍り出た名前は、「レオナルド」だった。今年2020年も安定の1位の座に輝いたのはレオナルド。

女の子の人気のある名前は、不動のトップ3。
常に1位ソフィア、2位、ジュリア、3位アウーロラで安定している。
専門家によると、イタリアのオノマティクス(固有名詞・名前)では男性には約29,000種類、女性には27,000種類以上の名前があるにもかかわらず、ランキングのトップ30までの名前は、男の子と女の子のそれらの38%しか子どもの名前には使われておらず、名付け親はスタンダードで伝統的、流行りの名前を子どもに与えているというのが奇妙な事実である。

どうしてイタリア人は子どもにレオナルドという名前をつけたがるのだろうか、その名前の起源、意味は・・・

Profile

著者プロフィール
ヴィズマーラ恵子

イタリア・ミラノ郊外在住。イタリア抹茶ストアと日本茶舗を経営・代表取締役社長。和⇄伊語逐次通訳・翻訳・コーディネータガイド。福岡県出身。中学校美術科教師を経て2000年に渡伊。フィレンツェ留学後ミラノに移住。イタリアの最新ニュースを斜め読みし、在住邦人の目線で現地から生の声を綴る。
Twitter:@vismoglie

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

あなたにおすすめ

Ranking

アクセスランキング

Twitter

ツイッター

Facebook

フェイスブック

Topics

お知らせ