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パリのカフェのテラスから〜 フランスって、ホントはこんなところです

RIKAママ|フランス

コロナ禍プラス戦時下の海外からの日本への入国にはいくつものハードルがある

羽田空港到着、税関を出るとキティちゃんのお迎えに思わずほっこりしたものの、後には思わぬ落とし穴が・・・       筆者撮影

新型コロナウィルスによるパンデミックのための日本の水際対策は、なかなか厳しいもので、私は2年間、日本への一時帰国は諦めていました。フランスから日本への入国には、その期間は時折、変更されていましたが、どちらにせよ長いこと一定期間の強制隔離施設での隔離プラス自宅での隔離期間を設けなければならず、その間の移動なども公共交通機関は利用できないなど、ハードルが高いものでした。

つまり、通常の滞在期間に加えて2週間近くを見積もらなければならず、スケジュール的にもかなり余裕がなければ、無理な話でした。しかし、3月に入って、日本側の水際対策が緩和され、ワクチン接種が3回済んでいる人に対しては、72時間以内のPCR検査が陰性であれば、隔離なしで、入国できることになり、大事な用事もできて、日本に行くことを決めたのです。

3月からの日本側の規制緩和を知って、私が日本行きを決めたのは、2月半ばのことで、先方の要望もあって、パリー羽田便の直行便を予約していました。しかし、まさかのウクライナ戦争勃発のためにパリからの直行便がキャンセルになり、「では、1週間後に変更してください」と言われたものの、結局、その1週間後のフライトもキャンセルになり、パリからロンドン経由のしかもロシア上空飛行を避けた迂回経路でのフライトで帰国するハメになりました。

日本入国のための準備

私は3回のワクチン接種を終了しているために、日本到着後の隔離は撤廃されたものの、入国のために必要な書類(72時間以内のPCR検査の陰性証明書(しかも日本のフォームに記入したものが望ましいとされている)や誓約書など)を揃えなければならないことには変わりなく、また、いつキャンセルになるかもしれないフライトの72時間以内のPCR検査というのも気が揉めることでした。幸い、フランスでは、健康保険のカードを持っていれば、PCR検査も無料で、しかも日本のフォームにも無料で記入してくれるラボもあるので助かりましたが、一方、フライトがキャンセルになってまた、変更になったら、検査を受けなおさなければならないわけです。

その他、日本への入国には、「My SOS」という入国者健康確認アプリをダウンロードしたり、あらかじめWEBで質問事項に回答し、QRコードを読み込んで、スクショを保存しておくといったことも必要です。

パリーロンドンー羽田の長距離フライト

日頃から、乗り換えのために、2度手荷物検査を通過しなければならない経由便は、面倒で時間がかかる上に、現在のヨーロッパからの便は、迂回ルートのための超長距離フライトで、パリから羽田まで、トータルで20時間(ロンドンでの待ち時間も加えて)近くかかります。ロンドンからの便だけでも通常よりは、4時間半長いフライトになります。

それでも、感染対策のために予約を控えてとっているのか?はたまた、こんな最中にわざわざ日本へは行く人が少ないのか? 飛行機に乗ってみると、全体の半分にも満たない座席状況でした。長いフライトゆえ、できるだけ、隣に人がいることを避けたかったため、私は、娘と一緒でしたが、二人縦並びの座席を予約し、願わくば隣に人が来ないでくれたら、一人で2席を使うことができると考えていたのです。飛行機の機種もいつものようなジャンボジェットではなく、両サイドが2席ずつ、中央が4席の比較的小さい飛行機でしたが、両サイドは、ほぼ1人ずつしか座っていないというのに、なんと私の隣にだけは、結構、体格のいい外国人の男性が座っていました。私は、離陸して飛行機が安定した高度を保つのを待って、CAさんにお願いして、他の空席のある座席に代わらせてもらいました。

しかし、この迂回ルートは、想像以上にキツく、だいたい朝、パリの家を出てから空港へ、そして、チェックインや慣れない書類のチェックなど、ロンドンを出発した時点でかなり疲れていたこともありますが、それにしても、なんで、こんなに疲れるのかと考えてみたところ、この長時間、身動きのとれない体勢でマスクをし続けるという一種の拷問状態がさらに負担を大きくしたのではないかと思っています。

機内模様から垣間見えた国民性と感染対策・衛生観念 29.3.2022.jpg病院みたいな機内サービス風景  筆者撮影

機内サービスは、最低限におさえられ、いつもは乗ってすぐに行われるドリンクサービスなどは、食事の際に統合され、合計2回。映画などをみられる座席のスクリーンでしばしば、フライトマップを眺めては、「まだ・・こんなにある・・」と思いながら、過ごしました。それでも、フライトは、ほぼ予定どおりに到着しましたが、別に特に途中で機体が大きく揺れたわけでもないのに、日本に着陸した時は、思わず拍手したい気持ちになりました。

羽田到着後の入国までの流れ

やれやれといった感じで羽田空港に2年ぶりに到着し、「ああ〜羽田だ・・日本だ・・」と思いながら、空港の中を移動。空港内の移動経路は、たくさんの何重にもわたる書類チェックがあり、その場所ごとに、そのためにこんなに人を雇っているのか?とチェックされる側よりチェックする側の人数の方が多いような感じでした。

数カ所の書類やアプリのチェックがおわると、次は唾液検査です。検査キットをもらって、一人一人のブースに入って、唾液を注入。これがまた、唾液というのはそうそう出るものではなく、個人的には、この唾液を抽出するのにとても苦労しました。そして、検体を渡すと、また書類を渡され、その書類についた番号が電光掲示板に表示されるのを待機します。15分〜20分ほどだったでしょうか? 番号が表示され、次のブースに進んで検査の結果を受け取ることができます。まことに幸いなことに結果は「陰性」でした。これで、これまで、パリでPCR検査を受けて陰性であること、飛行機(フライト)が予定どおりに飛ぶかどうかということ、そして、羽田に到着時の検査が陰性であることのハードルを超えて、ようやく、日本に入国し、日本の家に帰ることができたのです。

娘がまさかの機内濃厚接触者に・・

色々な用事が立て込んでいる2年ぶりの日本帰国では、それなりに、着々とスケジュールをこなしていかなければなりません。いつも、日本への一時帰国は、家族や友人に会えること、日本ならではの美味しいものを食べるという楽しみと同時に、両親亡き後に残された実家の片付けやさまざまな金融機関の手続きだったり、用事が立て込んで、単にバカンスとして楽しめるという感じでもなく、あっという間にスケジュールがマンパンになり、フランスに戻る頃には、グッタリになるということも少なくありません。

今回もまず、どうしても済ませなければならない用事を片付けようと動き始めた途端、娘の携帯には、「ぶ〜っ!ぶ〜っ!ぶ〜っ!」という鈍い音が・・「帰国便の機内において、新型コロナウィルス陽性者の前後2列を含む5列以内の座席に搭乗していたために濃厚接触者となりました。入国翌日から7日間は、隔離してください」というまさかの通知が入りました。しかも、その通知には、「陽性者の検体解析の結果がオミクロン株以外であった場合は14日目までの継続待機となります」という文面が付け加えられていました。

隔離なしのつもりの予定で入国しているというのに、また、本人は到着時の検査で陰性にもかかわらず、最大14日間の隔離など・・非人道的としか、いいようがありません。もしも、2週間の予定で帰国している人は、ほぼ何もできないままに帰国しなければならなくなるのです。

この信じられない通知にしばし、二人で呆然とし、隔離状態をチェックするためのアトランダムな連絡を待つ状態に逆戻りの不運に、最初は、言葉もありませんでした。必要最低限の外出は認められてはいるものの、この拘束感は言いようもありません。この陽性になった人とて、飛行機に乗る少なくとも72時間前までの段階では陰性であったはず、誰が悪いわけでもありませんが、どうにもこの機内濃厚接触者の括りには、疑問を感じずには、いられません。

航空券予約の際に、中には、満席に近いフライトもあるということでしたが、私たちの乗った飛行機には、ほぼ半数以下の乗客しか搭乗しておらず、ほぼ、全ての人が最低でも一人2席を使っていた状態で、満席の飛行機も空席だらけの飛行機も一様に前後2列を含む5列以内の座席に搭乗していた人は濃厚接触者という扱い、機内ではマスクをし続け、誰とも口をきくことなく、飛行機の座席に隔たれて座っていただけで、しかも、個人の行動を1週間も拘束するという厳しい措置にもかかわらず、あまりに一方的に個人の尊厳を軽く扱う高圧的な制限に日を重ねるごとに怒りが募ります。

もともと飛行機に乗った時点で、隣に人がいたために、空席を求めて席を移動していたことが、私にとっては、幸いな結果となったわけですが、その濃厚接触者である娘と同じ空間で家の中ではマスクもなしに過ごしていた私も本来ならば、濃厚接触者ですが、この同居人に関するチェックはしないという曖昧さ。あんなに何重にも書類をチェックしていたのは、一体、何をチェックしていたのか?と疑問を感じます。

入国の際に、強制的に「誓約書」なるものを提出させられているとはいうものの、これは、ほとんど脅迫に近いもので、この機内での濃厚接触者についての基準なども明確にされていません。この外出制限を守らなければ、「見回り対象とする」とか、「氏名を公表することがある」などと書かれていますが、いくら、ウィルスが脅威とはいえ、そこまでして、個人の生活を拘束することを、あまりに容易に、また個人の尊厳なく行われているのではないか?と思わずにはいられないのです。

こんな時、思わず「フランスなら、こんなことはあり得ない!」と言いたくなりますが、「ここは日本!日本のやり方に従え!」と言われるかもしれませんが、しかし、こんなやり方、フランスでなくとも、日本以外の国では、ちょっとなかなかあり得ないことだと思います。しかも、百歩譲って、この隔離が正当であったとしても、この隔離が解除されるために本来ならば行わなければならないはずのPCR検査は「希望者は保健所で検査を受けることができます」という任意のもので、肝心の最後のチェックはしなくてもいいというザル方式。

日本人の従順な国民性をいいことに、不明瞭な理由や方法での威圧的な行動制限に怒りまくる今回の日本への帰国となりました。必要書類は揃えなければならないとして、自分が搭乗する前の検査が陰性であっても、羽田に到着した時の検査が陰性であっても、まだまだ、決して安心することはできず、到着後には、このようなことになる危険が潜んでいます。日本に入国される方々には、機内は、空席があれば、できるだけ、人を避けた場所に座席を移動させてもらう必要があることを申し上げたいと思います。

コロナ禍の入国制限が緩和されたと思ったら、ウクライナ戦争のための、フライト欠航、経由長距離迂回便、そして、到着後の機内濃厚接触者隔離、今の時代は、日本帰国も本当にハードルが高いのです。

 

Profile

著者プロフィール
RIKAママ

フランスって、どうしようもない・・と、日々感じながら、どこかに魅力も感じつつ生活している日本人女性。日本で約10年、フランスで17年勤務の後、現在フリー。フランス人とのハーフの娘(1人)を持つママ。東京都出身。

ブログ:「海外で暮らしてみれば・・」

Twitter:@OoieR



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