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パスタな国の人々

宮本さやか|イタリア

トリノ五輪で私が見たIOC金権体質は東京五輪の今、さらにパワーアップされ日本を襲う。

1964年の東京オリンピックを記念して発行されたマリ共和国の切手。写真:i Stock/Kaato

ついに観客を入れて開催することにしましたね、東京五輪。IOC、そして日本政府は、どこまで日本国民をないがしろにして好き勝手をするんだろうか。IOCの恐ろしいほどの金権体質について、2017年の公式イベントに関わって実際に体験したという、演出家の宮本亜門さんのインタビュー記事、できるだけたくさんの人が読んで、みんなで何か考えたり、声をあげたり、アクションを起こしたほうがいいんじゃないかと思うので、ここに貼ります。

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/290718

記事の中で亜門さんはこう言っている。

私がIOCや五輪関係者への疑問を持ち始めたのは、2016年、リオ五輪に行ったときです。航空機のエコノミー席の周りには、五輪の選手たちが鍛え上げた大きな体を小さく縮め、リクライニングを倒すこともなく座っていた。ところが、トイレへ行こうと近くのビジネスクラスのカーテンを開けると、そこは大宴会場。選手の雰囲気とはかけ離れ、背広を着たIOCや関係者がワインボトルをいくつも開け盛り上がっていた。

IOCの金権体質についてはあちこちで語られているから、やっぱりね、という感じではあるが、それにしても酷い。亜門さんはこの記事以外にも「こんなことに加担してしまって後悔している」という発言など、何度も勇気ある声をあげてくれているのは、もう皆さんご存知の通り。

さて、ごり押しで決定した観客あり開催。とは言っても、1万人「しか」会場には入れないし、話題満載の今回のオリンピックは見ないわけにいかないから、テレビ放送の視聴率はうなぎのぼりに上がるだろう。収入の8割が放映料だというIOCはウハウハ、思う壺である。できるなら「#東京五輪テレビ観戦やめよう」運動をしたいところだが、一日本国民としても、物書きという身としても、見ないわけにはいかないのが悔しすぎる。世界の人々には、日本がコロナ禍で大変な状況にあるという現実はあまり知られていないから、「なんで五輪開催ダメなワケ?」とボイコット運動はどうせ空振りに終わるだろうし。

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著者プロフィール
宮本さやか

1996年よりイタリア・トリノ在住フードライター・料理家。イタリアと日本の食を取り巻く情報や文化を、「普通の人」の視点から発信。ブログ「ピエモンテのしあわせマダミン2」でのコロナ現地ルポは大好評を博した。現在は同ブログにて「トリノよいとこ一度はおいで」など連載中。

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