最新記事

フィリピン

マルコス=ドゥテルテの2世コンビで政権目指す サラ・ドゥテルテ、強力タッグで副大統領に出馬表明

2021年11月15日(月)18時40分
大塚智彦
フィリピンのサラ・ドゥテルテ

大統領選出馬も噂されていたドゥテルテの長女サラは、マルコス・ジュニアとのタッグを選んだ Lean Daval Jr - REUTERS

<フィリピンのカリスマ政治家の2世が、次代のリーダーとなるべく名乗りを上げた>

2022年5月に行われるフィリピンの大統領選に現在のドゥテルテ大統領の長女でミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長(43)が副大統領候補として出馬することになった。

これは現地メディアが11月13日に明らかにしたもので、連立党とラカス(CMD)党の連立候補としての立候補を正式に届け出た。

ペアを組むことになる大統領候補はすでに出馬が決まっているフェルディナンド・マルコス・ジュニア(愛称ボンボン)氏(64)となる。

これまでの各種世論調査で望ましい大統領候補として常にダントツのトップを占めていたサラ市長と2位の人気だったボンボン氏がタッグを組んで正副大統領候補となったことで、ある意味「最強のコンビ結成」となり、今後の大統領選の行方に大きな影響を与えるのは確実な情勢となってきた。

サラ市長はこれまで「大統領選には出馬しない」との姿勢を貫き、その理由として「父(ドゥテルテ大統領)が退かない限り」と当初副大統領としての出馬を模索していたドゥテルテ大統領への配慮を滲ませていた。

出馬への条件が次第に整う

ところがドゥテルテ大統領が副大統領立候補を断念したことでサラ市長の大統領選への出馬の「条件」は整ったとみられ、立候補を求める声が高まっていた。

しかしその後もサラ市長はダバオ市長選への立候補を届け出るなど相変わらず大統領選への動きを具体化させることはなかった。

この間、ドゥテルテ大統領が実質率いる最大与党PDPラバンなどからは「立候補の最終的な届け出の11月15日までになんとか出馬を」と説得工作が続いていた。

そんななか、サラ市長は11月9日に市長選への立候補を突如取り下げ、11日に地方政党の改革党を離党して右派政党ラカスに入党。同党の副大統領候補と入れ替わる形での出馬となった。またダバオ市長選にはサラ市長の弟であるセバンチャン・ドゥテルテ副市長が代わって立候補することになった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米オラクル、日本に80億ドル超投資へ AIインフラ

ワールド

EU首脳、対イラン制裁強化へ 無人機・ミサイル製造

ビジネス

世界の債務問題が著しく進展、IMFなどが共同声明

ワールド

ガザの食料危機悪化とUNRWA、イスラエルが支援妨
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像・動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 10

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中