最新記事

ランキング

韓国の技術革新力が世界5位に──K ポップの活躍も要因。日本の順位は?

K-Pop Music Helps Put South Korea on United Nations' Innovation List

2021年9月21日(火)19時37分
レベッカ・クラッパー
国連議場でスピーチするBTS

Kポップの超人気グループBTSも躍進に貢献(写真は国連議場でスピーチするBTS) John Angelillo/ REUTERS

<Kポップと技術革新力は一見無関係そうだが、BTSの創造性や発信力を思うとなんとなく納得?>

国連の専門機関である世界知的所有権機関(WIPO)は9月20日、各国の技術革新の能力を示す2021年版のグローバル革新指数ランキングを発表。Kポップなどを通じて創造性が高まったなどとして、韓国が過去最高の5位に入った(日本は13位)。AP通信が報じた。

WIPOは、2020年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が発生したものの、研究開発などの革新は活発に行われたと指摘。同指数ランキングでは、世界の132カ国・地域を対象に評価を行い、首位はスイス。その後にスウェーデン、アメリカ、イギリスが続き、韓国は過去最高の5位に入った。

Kポップの人気は国際的にも高まっている。5月にはマクドナルドが、Kポップの超人気グループ「BTS(防弾少年団)」との限定コラボメニュー「BTSミール」を販売。同メニューは6月下旬までに50カ国で販売され、好評を博した。

以下にAP通信の報道を引用する。

コロナで技術革新が進んだ面も

2020年は、運送業や観光業などパンデミックで打撃を受けた産業が支出を控えた一方で、テクノロジーや製薬、バイオテクノロジーの分野では活発に投資が行われた。

国際的な特許・商標など知的財産の調整や承認を支援するWIPOはまた、全体として「革新状況」の変化のペースが遅すぎると警告。パンデミックの収束後に国際社会が復興していくなかで、より幅広い国が革新の恩恵を受けられるようにする必要があると指摘した。

最新の革新指数ランキングでは例年に続いてアジア、ヨーロッパと北米が上位を独占しており、中国とフランスが前年からやや順位を上げた。

WIPOのダレン・タン事務局長は、「革新には、我々が予想していた以上の回復力がある」と述べ、「新型コロナウイルスは複数の産業に悪影響をもたらした一方で、別の複数の産業を促進した」と指摘。製薬やバイオテクノロジーのセクターに加えて、通信、ハードウェア、ソフトウェア、ICT(情報通信技術)のセクターが好調だったのは「意外なことではない」と語った。

グローバル革新指数ランキングは、132カ国・地域を対象に革新の度合いを評価して作成される。2019年には、研究開発などの革新への投資が前年比で8.5%増えて、史上最高額を記録した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

ECB、年内に複数回利下げの公算=ベルギー中銀総裁

ワールド

NATO、ウクライナへの防空システム追加提供で合意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中