最新記事

台湾有事

台湾が予備役拡充に寺院やNGOの職員を召集

Taiwan to Raise 'Temple Militia' of Holy Villagers to Fight off China Invasion

2021年4月21日(水)19時37分
ジョン・フェン
軍事演習に参加する台湾兵士

軍事演習に参加する台湾兵士(1月19日) Ann Wang-REUTERS

<宗教組織やNGOから予備役に編入された志願者は、各地で土地勘を生かした橋や道路の防衛にあたる可能性が高い>

中国による軍事的な威嚇がエスカレートするなか、台湾は、有事に備えた組織再編の一環として、予備役に寺院や教会の職員を動員する計画。

4月19日に台湾立法院(議会)で開かれた公聴会で、国防部長(国防相)の邱国正は、台湾の予備役を拡充するため、政策立案者は各地の仏教や道教の寺院からの志願兵を編入することも考えていると述べた。

邱のこの発言は、包括的な予備役動員組織の新設計画を説明するなかでおこなわれた。この新組織は、数も訓練も不十分とされる台湾の予備役の継続的な改革を監督するもの。

今は警官と消防士だけ

有志の警察官と消防士しか含まれない現在の予備役を拡充するためには、台湾の民間防衛法を改正する必要がある。

国防部の動員担当部署の官僚である朱森村は、この最新計画について、「台湾が直面する、敵の脅威の増大」に対応するためのものだと説明した。

朱は4月20日、こうした予備役編入には、コミュニティのリーダーやNGO、教会、寺院のメンバーが含まれると述べ、これらのグループはすでに、重大な緊急事態において、災害救助支援や食料およびシェルターの提供などで大きな役割を担っていると続けた。

実現可能な動員計画の作成にあたっては、地域のリーダーも話し合いに招かれると朱は話している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前月の2倍に拡大 輸出が回

ビジネス

UBS、主要2部門の四半期純金利収入見通し引き上げ

ビジネス

英賃金上昇率の鈍化続く、12─2月は前年比6.0%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 3

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 7

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中