最新記事

仮想通貨

大口投資家がビットコインの買い占めに走り、個人投資家には「サトシ」しか残らない?

As Institutions Gobble Up Bitcoins, Individual Investors Left with Satoshi

2021年2月26日(金)17時40分
スコット・リーブス

「インフレになってもドルのように価値が減らない「金」のような資産で、なおかつ決済にも使える人類初の通貨」になる? Dado Ruvic-REUTERS

<怪しげで投機的と思われてきたビットコインを、機関投資家や大企業がビットコインを大量に買い始めたのはなぜか>

機関投資家や大手企業は、価格下落に乗じて仮想通貨ビットコインの買い増しを行っているようだ。彼らがビットコインの将来価値を信じている証拠だ。

大手による投資はビットコインの価格上昇や相場の安定につながる可能性がある。だがビットコインの分割所有が可能な限り、個人投資家が市場から追い出されることはないだろうと、アナリストは請け合うが......。

外国為替・仮想通貨調査会社クオンタム・エコノミクスのジェイソン・ディーンは、「ビットコインの発行上限は2100万枚と決まっているから、それが入手可能な枚数の上限になる」と、本誌に語った。

「できる限り多くのビットコインを購入・保有しようと躍起になる機関投資家が増えれば、需要と供給の法則により、1単位あたりのドル価格は必然的に吊り上がる」と彼は言う。「だがビットコインは設計上も実際にも、今後も全ての人が入手可能な仕組みになっている。平均的な個人投資家が、1ビットコイン(BTC)まるごとではなく、1BTCの1億分の1の単位である「Satoshi(サトシ)」を保有・使用していく可能性は高い」

2月21日に史上最高値の5万8356ドルを記録したビットコイン価格は、23日には4万5501ドルにまで落ち込んだ。ビットコイン価格はこのところ乱高下しているが、それでも前年同日比で約70%高い水準にあり、過去1年間で約400%高騰した。ビットコイン価格は25日の日中の取引で4万9912.46ドルまで値を戻しており、仮想通貨情報サイトのコインデスクによれば、過去24時間の最高値は5万2076.32ドルだ。

大企業が長期保有に本腰

ディーンは、大手企業や機関投資家が長期保有に出てきたことで、今後ビットコイン価格の乱高下が抑制される可能性があると言う。だがそれは(現時点では想像しにくいが)逆に言えば、大口投資家が大量のビットコインを手放せば、価格が急落する可能性があることも意味している。

だがビットコインがウォール街で受け入れられつつあることと、ビットコイン価格が高騰していることを考えると、今後一部の個人投資家がイーサリアムやXPR、ステラやカルダノなど、価格の上昇余地がより大きいオルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨の総称)の購入を検討するようになる可能性もある。

「オルトコインは一般に、投資対象としてはビットコインよりも高リスクだと考えられている。多くのプロジェクトがまだ発展の初期段階にあり、不確実なことが多いからだ」とディーンは言う。「同時に、仮想通貨の短い歴史の中で、そうしたリスクにはより大きな見返りが伴う可能性があることも証明されてきた」

「価格の高騰は多くの場合、ビットコインだけではなく仮想通貨全般への信用の高まりを意味していると解釈される」

ニュース速報

ビジネス

東南アジア配車大手グラブ、SPACと合併 過去最大

ビジネス

独ZEW景気期待指数、4月は70.7 封鎖懸念で予

ワールド

米国は台湾巡る「火遊び」やめよ、中国外務省が米指針

ワールド

ロが米軍艦派遣に警告、クリミアから離れているのが「

MAGAZINE

特集:日本を置き去りにする デジタル先進国

2021年4月20日号(4/13発売)

コロナを抑え込んだ中国デジタル監視の実態。台湾・韓国にも遅れた日本が今すべきこと

人気ランキング

  • 1

    ロケット砲で80人以上が死亡、200人以上が行方不明か 内戦の危機迫るミャンマー情勢

  • 2

    「日本人なら中国人の3分の1で使える」 クールジャパンどころではないアニメ業界、中国が才能ある人材爆買い

  • 3

    中国製ワクチン、輸出量は既に1億1500万回分だが......

  • 4

    ギネスが認めた「世界最高齢の総務部員」 勤続65年、9…

  • 5

    韓国ソウル、マンション平均価格が9億ウォン突破 全…

  • 6

    【ミャンマー現地ルポ】デモ取締りの警察官に警棒で…

  • 7

    ハリー&メーガンは? 黒い服にタイツ...フィリップ殿…

  • 8

    ヘンリー王子の葬儀参列を妨げる壁 「メーガンは彼の…

  • 9

    日本の対ミャンマー政策はどこで間違ったのか 世界…

  • 10

    テスラに見る株式市場の先見性、知っておくべき歴史…

  • 1

    太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される

  • 2

    カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座も危うい

  • 3

    硬貨大のブラックホールが地球を破壊する

  • 4

    アマゾンに慣れきった私たちに、スエズ運河の座礁事…

  • 5

    緑豊かな森林が枯死する「ゴーストフォレスト」が米…

  • 6

    北米からシカの狂牛病=狂鹿病が、世界に広がる......

  • 7

    洪水でクモ大量出現、世界で最も危険な殺人グモも:…

  • 8

    ビットコイン:規制は厳しくなる、クレジットカード…

  • 9

    「パパ活」はドイツでは通用しない 若いだけで女子を…

  • 10

    あなたが仕事を始めないのは「やる気が出るのを待って…

  • 1

    太平洋上空の雲で史上最低気温、マイナス111度が観測される

  • 2

    観測されない「何か」が、太陽系に最も近いヒアデス星団を破壊した

  • 3

    国際宇宙ステーションで新種の微生物が発見される

  • 4

    「夜中に甘いものが食べたい!」 欲望に駆られたとき…

  • 5

    30代男性が急速に「オジサン化」するのはなぜ? やり…

  • 6

    EVはもうすぐ時代遅れに? 「エンジンのまま完全カー…

  • 7

    孤独を好み、孤独に強い......日本人は「孤独耐性」…

  • 8

    ブッダの言葉に学ぶ「攻撃的にディスってくる相手」…

  • 9

    カミカゼ・ドローンで戦況は一変 米軍「最強」の座…

  • 10

    硬貨大のブラックホールが地球を破壊する

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月
  • 2020年11月