最新記事

アメリカ社会

ニューヨーク州vs正統派ユダヤ教徒 コロナ再拡大で深まる対立

2020年10月21日(水)16時00分
スー・キム

感染拡大のNYで祝日を祝う正統派ユダヤ教徒たち LEV RADIN-PACIFIC PRESS-LIGHTROCKET/GETTY IMAGES

<「頻繁かつ大規模な集会」を「スーパースプレッダー・イベント」だと警告したクオモ州知事に対し、正統派ユダヤ教徒は不当な攻撃だと主張>

米ニューヨーク市で新型コロナウイルスに関する新たな規制が導入されたのに伴い、正統派ユダヤ教徒の住民らが抗議の声を上げている。規制の影響を受ける地区の多くが、彼らの居住地と重なるためだ。

クオモ州知事は10月初め、同市ブルックリン地区やクイーンズ地区などを「ホットスポット」に特定。各地区をカテゴリー分けして集会や礼拝の人数、ビジネスや学校の活動に制限を設けると発表した。正統派ユダヤ教徒の「頻繁かつ大規模な集会」は「スーパースプレッダー・イベント」だとも警告。ニューヨークでは6月半ば以降横ばいだった新規感染者数が、9月後半から再び増加に転じている。

だがユダヤ人住民は、正統派ユダヤ教徒が不当に攻撃されていると主張し、規制に反発。マスクの山を燃やすなどの抗議行動を行っている。

同市のユダヤ人居住地は昨年、麻疹(はしか)流行の中心地にもなった。予防接種の拒否とイスラエルからの感染持ち込みが原因とみられる。

<2020年10月27日号掲載>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮が戦略巡航ミサイル、「超大型弾頭」試験 国営

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 4

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中