最新記事

日本政治

ポスト安倍、自民総裁選3候補が会見 菅義偉氏「衆院解散はコロナ優先」

2020年9月8日(火)19時03分

自民党総裁選に出馬した3候補は8日午後、共同で会見し、最有力視される菅義偉官房長は衆議院解散について「新型コロナウイルスの感染状況を最優先すべき」と語った(2020年 ロイター/Yoshikazu Tsuno/Pool via REUTERS)

自民党総裁選に出馬した3候補は8日午後、共同で会見し、最有力視される菅義偉官房長は衆議院解散について「新型コロナウイルスの感染状況を最優先すべき」と語った。

岸田文雄政調会長もコロナ対策が優先としつつ、「国民からエネルギーを頂かなければいけないという判断があったなら、解散ということはあり得る」と述べた。  

菅氏は「国民の皆さんが政権に期待することは、とにかくコロナの中で感染状況を終息して、安心できるようにすることだ」と述べ、解散時期は感染状況次第との考えを強調した。これに対して石破茂元幹事長は憲法が想定している衆院解散は「衆院の意志と内閣の意志が異なった場合」と指摘した。

菅氏「人事は改革意欲や専門性重視」

総裁選の争点について、菅氏はコロナ対策と経済対策と発言。戦後最悪の4-6月国内総生産(GDP)落ち込みを踏まえ、雇用を確保し、企業の事業活動を維持することに力を注ぐ考えを強調した。安倍晋三政権が取り組む給付金と融資を引き継ぐ意向を示した。

新政権の人事について、菅氏は「改革に意欲のある人や、専門的な知見を持つ人材を優先したい」と語った。

安倍政権の功罪に関連し、菅氏は経済が最大の成果で「地方の地価が27年ぶりに上昇したことが一番うれしかった」と強調した。一方、森友学園を巡る文書改ざん問題について「再びこうした問題を起こしてはならない」とし、「批判には謙虚に耳を傾ける」と述べた。

河井前法相夫妻の公選法違反事件に絡み、自民党から河井陣営に1億5000万円送金されていたことを巡り、菅氏は「党のことは党でルールに基づいて行われるとしか官房長官の立場で申し上げることができない」としつつ、「もし総裁になったら、そのようなものについて対応して行きたい」と述べた。

(竹本能文 編集:青山敦子)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・風雲急を告げるポスト安倍レース 後継候補の顔ぶれは?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・「アベノミクスは買い」だったのか その功罪を識者はこうみる
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200915issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

9月15日号(9月8日発売)は「米大統領選2020:トランプの勝算 バイデンの誤算」特集。勝敗を分けるポイントは何か。コロナ、BLM、浮動票......でトランプの再選確率を探る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB当局者、6月利下げを明確に支持 その後の見解

ビジネス

米住宅ローン金利7%超え、昨年6月以来最大の上昇=

ビジネス

米ブラックストーン、1─3月期は1%増益 利益が予

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中