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感染症対策

EU、当面は米国からの渡航禁止継続 不十分なコロナ対策で

2020年6月24日(水)09時35分

欧州連合(EU)諸国が、7月1日から段階的に解除する予定のEU域内への渡航制限について、米国からの渡航禁止措置を当面維持する可能性がある。マドリードの空港で21日撮影(2019年 ロイター/SERGIO PEREZ)

欧州連合(EU)諸国は7月から域外からの渡航制限を段階的に解除する予定だが、米国からの渡航禁止措置は当面維持する可能性がある。米紙ニューヨーク・タイムズが23日、渡航制限解除に向けた草案の内容を報じた。

米政府による新型コロナウイルス流行への対応が十分でないことが理由という。米国は新型コロナ感染者および死者数が世界最多となっているほか、経済再開に伴い新規感染者も増加しており、渡航制限解除に当たってはブラジルやロシアと同じ区分に分類されているという。

欧州委員会は今月、EU域外からの渡航を7月から段階的に解禁する必要があるとし、国別の対応策の一覧表を作成する方針を表明。感染状況がEU平均と同等に制御されていること、抑制策が実施されていること、EU域内からの渡航を受け入れる用意があることの3点を条件に解禁を決定するとした。

EU高官はロイターに対し「制限解除に向けた要件リストであって、解除する国のリストは用意していない」と語った。

別の高官は、10万人当たりの感染率を制限解除の要件にする案が検討されているが、基準値などを巡り合意には至っていないとした。

EU諸国は24日に要件を巡り協議するが、合意するかは不透明だという。

ホワイトハウスからはコメントを得られていない。

[ロイター]


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