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感染者2200万人・死者1万人以上 アメリカ、爆発的「インフル猛威」のなぜ

2020年2月18日(火)16時31分
瀧口範子(ジャーナリスト) *東洋経済オンラインからの転載

インフルエンザは、大人子供両方に容赦なく襲いかかる。今シーズンもすでに78人の子供がインフルエンザで亡くなったという。痛々しい限りだ。ことに報告されているケースでは、何の既往症もなかった健康な30代の男性が犠牲になったり、陰性と判断された12歳の少年が数日後に急変して死亡したり、20代の女性が会社を早退して5日後に亡くなったりするなど、予測不能な事態に発展することもうかがわれる。

インフルエンザで死亡するケースで多いのは、例えば免疫力が下がっている場合や、糖尿病や喘息などの慢性的持病がある場合、インフルエンザから肺炎や敗血症を引き起こした場合など。それでも、健康な子供がインフルエンザに対して過剰な免疫反応を起こして内臓を痛めるといったケースもあり、「一瞬で息をしなくなった」と嘆く遺族の様子などが伝えられている。

30年ぶりにB型が当初優性だった

予防接種をしていても安全とは言えない。ウイルスは変異するため、予防接種の開発や製造がその変化についていけないのだ。予防接種の効く確率は10~60%とも言われる。受けないよりはずっとましだが、それでも完全武装にはならないのだ。

今シーズンのアメリカのインフルエンザは、当初B型が優勢だったものの、後にA型が優位になってきたという。B型が優位になるのは、アメリカでは30年ぶりのことで、B型では、新生児を含めた子供や24歳までのヤングアダルトに罹病が多い。A型では25〜64歳と65歳以上の高齢者がターゲットになる。

通常は、先にA型が流行り、春になってB型が流行ることが多いが、今シーズンはその順番も逆だ。いずれにしても、2つの型のインフルエンザが同等に広まると、インフルエンザの季節自体が長くなる。

もっとも、アメリカ人がインフルエンザに大騒ぎをしている、という感じでもなく、メディア報道を見ると、インフルエンザの記事よりは、新型肺炎に関する記事のほうがよっぽど多い。

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